オーケストラ

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池袋の東京芸術劇場で、オーケストラの定期演奏会に出演しました。
曲は、マーラー交響曲第2番「復活」
この曲はオルガンの出番が少ないので、
リハーサル中にうろうろして、あちこち撮影してきました。
普段はまったく時間に余裕がなく必死なので、
こんな機会はめったにありません。
IMG_0036.jpg
リハーサル風景。
オーケストラ113名、合唱団234名、女性のソリスト2名の大編成です。
両サイドのバルコニーにも合唱団が座っています。
IMG_0029.jpg
これはバンダと言って、ステージ上のオーケストラとは別に、
舞台の裏で演奏する金管アンサンブル。
「復活」のバンダの編成は、トランペット、ホルン、そして打楽器。
音の強弱はステージ横の扉の開けぐあいや、奏者の立ち位置などで調整します。
ここから指揮者は見えないので、モニターと副指揮を見ながらの演奏です。
ステージ上とは全く違う拍子、違う音楽を演奏するので、
その両方を振り分ける指揮者はただただすごい。
指揮者が万が一失敗したら間違いなく、無茶苦茶になります。
ちなみに今回のマエストロ、三石精一さんは、
この約1時間30分もの複雑な大曲を、暗譜で振っていらっしゃいました。
脱帽です。
IMG_0030.jpg
オルガンの演奏台から舞台を見下ろしたところ。
このホールはバルコニーが高いところにあって、
舞台からかなりの距離があるので結構怖いです。
休憩中に他の楽器の人たちが遊びに来ると、
たいていへっぴり腰になります。
怖がるのは、なぜか特に男子。
IMG_0032.jpg
オルガンの鍵盤。
ここの楽器は5段もあります。
一番上の段はかなり遠いので、演奏するのもひと苦労。
IMG_0034.jpg
鍵盤横に並んでいる黒いつまみを、「ストップ」といいます。
これでどのパイプを使うかを決めます。
トランペットや、フルート、オーボエ、ガンバなど
オーケストラに負けない様々な音色を、ここで選びます。
どのトップを組み合わせるかは、
オルガニストによってそれぞれ違います。
まさに腕の見せどころ

ストップの上についているモニターは、
指揮を見るためのもの。
反対側には鏡もついています。

東京芸術劇場は、2台のオルガンが背中合わせに設置されています。
床の円形に区切られた部分が、180度回転する仕組みになっています。
IMG_0019.jpg
今回使用する面の裏側。
こちら側は、バロックルネッサンスの2種類のパイプが内蔵されています。
今回の曲で使うモダン面とあわせて、パイプの数は約9000本!!
築地の楽器が約2000本ですから、その規模の大きさには圧倒されます。

オルガンの出番は終楽章の最後のさいご。
たいてい曲の途中でこっそり入るのですが、
このホールでは目立ちすぎるので、今回は1楽章からずっと座ることに。
客席から丸見えなので動くことも出来ず、姿勢も崩せません。
背中に客席の視線が刺さるようです。
演奏していればこんな事はまったく気にならないのに、
ただじっと座っていることが、こんなに辛いとは...
なにしろ足鍵盤があるので、足を床に置くことも出来ないのです。
弾いているほうがずっと楽です。
途中、鏡越しにステージや客席の様子をを眺めたり、
恐れ多くもソリストの佐藤しのぶさんや、
井原直子さんにあわせてこっそり歌ってみたり。
1時間15分が過ぎて、ようやく出番が来るころ、
曲はこれまでの苦難の道のりを乗り越え、
まさに「復活」の喜びに満ちあふれた壮大なフィナーレ。
このフィナーレをこんなに待ち望んだことはありません。
最後にはペダルの一番長いリード管、32フィートのコントラボンバルデ
(これを鳴らすと、床も、壁も、ホール全体がびりびり共振するのが体感できます。テンションが一気に上がります。)まで使って、気持ちよく演奏しました。

翌朝起きると、背中一面が激しく運動をした後みたいに痛かった...
小島 弥寧子

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コメント(3)

はじめまして!
今まで公演は見て聞いているだけで
舞台裏というものに
目が向く機会がなかったのですが。
小島さんのブログを読み始めてから、
裏はこんなふうになっていたり
こんなふうに思ってたりするんだーと
どきどきワクワクするようになりました。
ありがとうございます。

こちらのブログも今までは読んでいるだけの自分でしたが
今回も読んでいてとても楽しかったので
コメント書かせていただきました。

どんどん寒くなる季節ですが、
お体ご自愛ください。

また次回の更新も楽しみにしております。

 マーラーは本当に制限なしの作曲家ですねェ。少し遠慮しろよというほど人を使って、楽器を使って‥‥一種のプロデューサーのような作曲家だと思います。

 昔の“題名のない音楽会”という番組は、黛さんのお好みで、ライブ一発撮りだったんだそうです。何回かそのコンサートに行きましたが、たしかに一発撮りなんです。
 曰く、「この番組は一曲の作品だ」そうな。それでも実質24分の作品です。もっとも、それを二本撮ったり、三本撮ったりしてましたが‥‥

 どちらも、あきれるのは、その構成の厳しさですネ。秒単位というか、隙のない構成というか‥‥演奏家は辛いと思います。
 作曲するものは、けっこう気楽にできると思います。大曲ほど、作曲は逆に楽なんじゃないかなァ。
 マーラーも黛さんも、どっちも頭の中ではちゃんと出来上がってるんだろうか
ら‥‥

ササさま
ありがとうございます!
オルガンのことをいろいろ伝えたいなぁ、知ってもらいたいなぁ
という気持ちで、あれこれ書いています。
でもこんな事書いて、読んでくれる方ははたして
おもしろいんだろうか…?
私ひとりで空回りしてない?なんて思っていたので
とても嬉しい気持ちです。
初めてのことで、試行錯誤しながらですから、
みなさんのお力をかしていただけたらうれしいです。
今後ともご意見ご感想お待ちしています!

マイコン坊主さま
音楽がお好きで、なおかつ詳しいんですね!
作曲家や指揮者にはプロデューサーの
要素が多分にあると、私も思います。
マーラーは、演奏のスタイルにも相当なこだわりがあったようです。
木管楽器の先を高く上げて吹かせたり、
ホルンに楽器を持ち上げさせたり、そういう指示が
細かく楽譜に書かれています。
バンダの出入りについても、
「弦楽器の邪魔にならぬよう、静かに入ること」
なんて書いてあります。
マーラーさん、わかってるよ、そんなの…って言いたくなりますね。
きっと細かいひとだったんでしょう(笑)
あまりお友達にはなりたくないですね。
当時のオーケストラは、ぶーぶー文句を言いながら
演奏したんじゃないかな?と想像してしまいます。
黛さんの「一発撮り」も、きっとそのライブ感、緊張感を
大切にしたかったのでしょうね。
演奏家にとって苦しいことも多々ありますが、
その厳しさ、緊張感がたまらないという感じもまた否めないのです。

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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。

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