桜が満開の4月2日の夕暮れ時、築地本願寺から歩いて数分のところにある、聖路加国際病院礼拝堂のオルガンコンサート「夕の祈り」で演奏する機会をいただきました。
学生の頃からの、あこがれの楽器です。
期待と緊張でドキドキ。
北ドイツバロック様式のこのオルガンは、本願寺のものとほぼ同じ規模。
30ストップ、2077本のパイプから出来ています。
フランスのマルク・ガルニエ社が1988年に制作したものです。
あ、今年ちょうど成人式を迎えるんだ。
皆さんが手塩にかけて大事に大事に育てているこの楽器、ハタチになったとは、感慨もひとしおでしょう。
このイスの後ろ側のリュック・ポジティフと呼ばれる箱にも、パイプがぎっしりと詰まっています。「リュック」は背中という意味。
つまりオルガン本体とは別に演奏者の背中側にも、パイプが入ったケースがあるのです。
リュック・ポジティフのパイプを鳴らすためには、3段ある手鍵盤の一番下の段を弾きます。
この礼拝堂は病院の中にあるので、患者さんや、看病されているご家族の方がお祈りにきたり、ちょっと一息つきに来たりする大切な場所。
ですからオルガンの演奏台には、練習する人のためにこんな注意書きがあります。
夕の祈りコンサートは、最初にオルガンの演奏が30分、続いて礼拝が行われます。
曲の合間には拍手もなければお辞儀もしません。
ただ静かに弾き続けます。
演奏台は礼拝堂の後方、バルコニーの上にあって、
リュックポジティフで完全に姿が隠れてしまうので、下の様子はまったくわかりませんが、静謐な空気が満ちているのを肌で感じました。
礼拝の最後に聖歌の伴奏をしたあと、司祭に紹介していただいて、ひょっこりバルコニーから顔を出してご挨拶です。
すると皆さん立ち上がって、上を見上げて拍手してくださいました。
その光景はなんだかとてもとても嬉しかった。
ずっと覚えておきたいなあ。
さらに嬉しいことに築地本願寺からも、何人かお坊さん達が聴きにきてくれました。
終演後の打ち上げは、聖路加の司祭、オルガニスト、お坊さん達を交えた総勢15名。
実にバラエティ豊かな顔ぶれで美味しいお魚とお酒を囲みました。
このまぐろの中落ちは、はまぐりの貝殻で削いでから頂きます。
う~ん贅沢。
これ、なんだと思います?
白魚の踊り食いです。
当たり前ですが生きています。
あのうお坊さん、殺生はいけないんじゃ...。
家に帰ってからも、しばらくのどの奥でぴちぴち魚が飛び跳ねているような感じがしていました。
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話題はオルガンのことから、緩和ケアに至るまでいろいろ。
日本酒が注がれたあたりからは、司祭とお坊さんのだじゃれ合戦という、世にも珍しいものまで目の当たりにしました。
面白かったかどうかはさておき。
最後には「今後一緒に何か出来たら良いですね」というお話になって、宗教を超えた素敵な出会いのきっかけになりました。
これぞ『縁起』です。
先週末の聖路加のチャペル委員会では、司祭の上田先生が「夕の祈りにお坊さんたちが来てくださってアーメンも唱えてくれて、お食事も一緒にしてとても有意義な時間がもてました」と報告をされたら、一同「ほおぉぉぉぉ~」と、どよめいていたそうです。
聖路加国際病院礼拝堂オルガンコンサート「夕の祈り」は、毎月第1水曜日、18:30開演、入場無料です。
オルガンの響きに包まれて、静かな祈りのときを過ごしませんか。




聖路加オルガン委員です。
先日は力のこもった演奏、ありがとうございました。
オルガンが実に嬉しそうに歌っていました!
多忙なお坊さんたちがおいでくださったのにも感激。
委員一同はクリスチャンですが、仏教にもお寺にも
興味津々だったので、打ち上げは楽しく有意義な
ひとときでした。「縁起」という言葉も覚えたし。
(はあ、殺生はいけないんじゃ、とは、私もちょっと
思いましたのですが……)。
せっかくのご近所同士、これをご縁に
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
風子さま
こちらこそ本当に素敵な演奏の機会を下さって、ありがとうございました。
こういういい経験を幾つも積み重ねて、音や空気を身体に染みこませていけたらなあ、と思いました。
長年続けていらっしゃる「夕の祈り」も、大事にされているオルガンも、みなさんの努力のたまものですね。
本願寺も見習わなければ!と襟を正す思いです。
打ち上げは教会・お寺・そしてオルガニストとまさに異文化交流の場でしたね。
いただいた縁起を大事にして、どんどん広げていきましょう!
なにしろ歩いて3、4分ですから、ね。