ランチタイムコンサートの本番当日リハーサルは、通常11時ごろから行われる。



8月の出演者の坂戸真美さんが、この日のプログラムのメイン、
バッハのプレリュードとフーガ イ短調から練習を始められた瞬間に、
ハプニングは起こった。
イ短調というのは「ラ」の音から始まる音階のこと。
曲の出だし、「ラドラミラドラ」を弾き始めたら、その一番肝心な「ラ」の音が、
鳴りっぱなしになってしまった。
オルガンは繊細な楽器なので、こういうことは時々おこる。
音の鳴りっぱなしは、割と頻繁におこるトラブルの一つ。
原因が鍵盤にあるのか、それともパイプと風箱の間にある弁にあるのか、
特定するのがなかなか難しい。
鳴りっぱなしのままでコンサートを始めることは、当然できない。
コンサート開始まであと1時間。
とりあえず技術者の方に電話。
繋がらない。
...さて、どうしよう。
どきどきして、足がふるえてきた。
落ち着け、私よ。
まずは演奏台の裏側にまわって、中を見てみようと扉を開けてみる。
そこで折り返し、技術者から電話が入った。
...助かった。
今の状況を説明すると、その方いわく
「この症状からいくと、おそらく原因は鍵盤にありますね。
演奏台の裏にまわって扉を開けてもらえますか?」
私「ちょうどいま開けたところです。」
技「それぞれの鍵盤の根元に細いひげみたいなのが2本ないですか?
それが電気の接点なんだけど。」
暗くて見えないので懐中電灯で照らしてもらう。
いつの間にか写真に撮られていた。
ものすごい形相が写っていなくてよかったよ。

私「ひげ、ひげ、ひげ...これかな?」
技「そのひげが鍵盤にくっいちゃってないですか?
となりのものと比べてみて。」
私「う〜ん、あっ、そう見えるかも。」
技「それを先の細いものかなにかで鍵盤から離してみて」
そばにあった鉛筆でやってみる。
私「あのう、触るとぴかっと火花が出るんですけど」
技「電源切って〜〜〜!!!」
そりゃそうだ...
電源を切って、もう一度やり直し。
鉛筆の先っぽで、そおっとおひげを鍵盤から離す。
改めて電源を入れ、おそるおそる問題のラを弾いてみる。
......直った!ばんざい!!!
ごめんなさい真美さん、貴重な練習時間を割いてしまって。
そんなことはものともせず、コンサートでは
パリで勉強した真美さんお得意のフランスのシンフォニックな曲からバッハまで、
明るくて天真爛漫な人柄そのものの音を、本堂に響き渡らせてくださった。

真美さんの演奏はオルガンを弾いているのが、本当に楽しくて楽しくて
仕方がないという気持ちが、身体から音になってそのまま伝わってくる。
夏休み終盤だからか、こどもたちのすがたもちらほら。
うれしいお客さま。

終演後には楽器の説明会も聞いて、質問なんかもしてくれて、
最後にはオルガンをちょこっと弾いてみて、大喜びで帰っていった。
今月のランチタイムコンサートは、明日9月26日(金)
オルガニスト早川幸子さんと、オーボエ奏者市川鉄也さんの演奏です。
ぜひおいで下さい!
曲目
G.フレスコバルディ:トッカータ 第5番
J.G.ラインベルガー: ラプソディー 他
J.G.ラインベルガー: ラプソディー 他
10月からのチラシも、すっかり秋らしい色合いで平井さんが作ってくれました。→こちら
チラシ案をメールで添付しておくってくれた時の件名が、「もう秋を感じる平井です。南無」
このひとも、面白すぎます。




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