2010年9月アーカイブ
・A.P.F.ボエリー:アンダンテ モデラート op.18-4
・仏教讃歌:やさしさにであったら
・J.S.バッハ:前奏曲とフーガ ホ長調 BWV566



今年の秋の軽井沢のコンサート、第1日目は声楽、ヴァイオリン、オルガンによるバロックアンサンブルの響きをたっぷりお楽しみいただきます。
本岩さんは、カウンター・テノールという特殊な音域を出すことのできる、数少ない歌い手のひとり。かつて、ヨーロッパの教会では女性が聖歌隊で歌うことが禁じられていたために、女声のアルトパートを男性がファルセット(裏声)を使って歌うようになったのがカウンター・テノールの始まりです。
一方天野さんは現代使われているモダン・ヴァイオリンではなく、バロック時代に演奏されていたそのままの形、音色のバロック・ヴァイオリンを弾きこなすエキスパート。
そんなお2人とオルガンで共演するのは、まず3大アヴェ・マリアのひとつと言われて、親しまれているカッチーニのアヴェ・マリアです。この曲は本岩さんの十八番で、これまで2人で何度一緒に演奏したことでしょうか。実はカッチーニの作品ではないのでは?などと言われている謎に満ちたものですが、なにはともあれ名曲です。
そして、バッハのマタイ受難曲の中でも一番有名なアルトのアリアを。世にも美しいヴァイオリンの旋律が心に染入ります。
また、今回のプログラムの中でオーベルタンオルガンの輝きを最も引き出すと思われる、フランス古典期に活躍したクレランボーの第2旋法のミサ曲は、グレゴリオ聖歌を組曲の間にはさみながら演奏を進める、昔のフランスのミサの形式を再現してみます。軽井沢にいながら、まるでフランスの修道院にいるような感覚をその場にいらっしゃる皆さんと共有できたら幸せです。
さらに、バロック・ヴァイオリンの音色もじっくり堪能していただきます。「人類史上」とか、「世界一」美しいヴァイオリンの秘曲、と言われているビーバーのロザリオのソナタから、第1番「受胎告知」をオルガンの通奏低音とともにお送りします。
第2日目 9月19日 【和の笛・洋の笛】
コンサート第2日目は、がらっと雰囲気を変えて。
たくさんの笛が一緒に鳴るヨーロッパの歴史的な楽器、オルガンに日本の伝統的な竹の笛、尺八がたった一本で挑みます。
加藤さんとは昨年秋に軽井沢でご一緒した後
いくつかのコンサートを経て、
2人でいろいろ試したり話あったりしながらすこしずつ
尺八に合うもの、合わないものを探ってきました。
この楽器の最大の特徴は音と音の間にある、
楽譜には書き表すことができない高さの音も表現できるということ。
イタリアバロック最大の作曲家、
フレスコバルディの半音階的リチェルカーレは
そんな尺八の響きに驚くほどぴったり合います。
半音階の感じがより強調される、
音と音の間を自由に行き来する奏法、
そして加藤さんの奏でる霊的ともいえる音色は圧巻です。
また、オルガン曲のなかで一番有名なあのトッカータニ短調に、
尺八にもアドリブで参加していただきます。
加藤さんは即興的な演奏もお手のもの。とんでもなく斬新で、
バッハもびっくり!するようなトッカータが生まれるかもしれません。
さらに今回は、オルガンと尺八のためにつくられた曲をぜひプログラムに加えたい、
という思いから、オルガニストの酒井多賀志氏が作曲された
「オルガンと尺八の為の対話」を演奏します。
尺八本来の厳密なピッチにこだわらない、
西洋の楽器からすると不安定な美しさ曖昧な良さを存分に生かしながら、
オルガンとの刺激的な対話が繰り広げられます。
加藤さんはひとたび演奏する段になるとすっと姿勢が正されて、
腰がしっかり決まって「気」が入ります。
その場の空気が一瞬にしてぐっと締まるのを感じます。
私も彼が作り出すそのすごい空間に、なんとか必死で食らいついていきたいものです。
さあ、どんなサプライズが生まれるでしょうか。
9月の軽井沢の心地の良い風と午後の陽射しの中で、
美味しいお料理と音楽をお楽しみください。お待ちしています!
小島 弥寧子
6月に行われたみどりが丘ふくしかん・にぎわい座、
100回記念コンサートレポートのつづき。

ふくしかんがきっかけで
出会った
和楽器のオーケストラ
日本音楽集団の面々、
横笛 西川浩平さん
尺八 加藤秀和さん
太鼓 多田 惠子さん
とご一緒させていただいた。
緊張感漂う静かな礼拝堂の空気を、一気に揺らす
ぞくぞくするような気合いの入った演奏。
彼らと一緒に演奏させていただくと、洋の東西を問わず
いろんなことを学べる。
そして、わたしまで背筋がすっと伸びて、
いい音が出そうな気さえしてくる。
かとおもえば「祭り」のお囃子では、
ひょっとこのお面をかぶりながら会場中を練り歩いてお菓子を配って、
一気に笑いを誘ったり。
エンターティナーです。
目黒の地域に文化の輪を!という思いで始まったこの企画、
聖パウロ教会で毎週練習を重ねている
「わの合唱団」も演奏に加わって生き生きと本当に楽しそうに歌ってくれました。
後ろからこっそりのぞき見。
よく見ると後列に横笛の西川さんが一緒に歌ってます。
「ボクも合唱団の団員なんです。
合唱やってみたら、楽しくって」なんて言って、
袴姿のまま歌っていて、なんだかおもしろい図。
太鼓の多田恵子さん。
かわいらしいひとです。
でも太鼓やかけ声は
ほれぼれする男前っぷり。
「いよ〜っ」っていうあの気合いの
入ったかけ声、わたしもやってみたい。
それにしても
聖堂にこの太鼓(っていうの?)
すごい組み合わせです。
いろんな楽器を担いで(うそです、車で)
運んできてくれました。
終演後すぐに着替えてしまって、
凛々しい男性陣の袴姿は写真に収めることができず、残念...
尺八の加藤秀和さんは、
11日の築地風琴会に出てくださいます!
加藤さんのすごい!演奏が本堂に響き渡ります。
ぜひお越しを。
プログラム用のお写真を拝借。

さて、にぎわい座の101回目はいつも通り、
7月末にふくしかんの30人も入ればいっぱいの小さな会場で、
アットホームなコンサート。
その名も「テノールとオルガンのディアローグコンサート
〜仲の良いご近所同士が初共演。お互いの音楽を語ります〜」
オルガンはおなじみ、相変わらずフィガロにぞっこんラブ(古い?)
の佐藤礼子さんと、
ふくしかんからなんと徒歩3分のところに住んでいる、
テノールの倉石真さん。
こちらも満員御礼。
終曲のトゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」では
ブラボーまで飛び出し拍手喝采の大喜び。
終演後の打ち上げは倉ちゃん宅で、長野からいらしたお母さんや
ご本人自らつくってくれたごちそうをおいしくいただく。



続いてサントリーホールで毎月行われている
プロムナードコンサートに出演した時のおはなし。
今年で25年を迎える格調高いホールは、
当時日本にまだそんなにオルガンがたくさんなかった頃に作られた。
オルガンを始めたころは、
このすてきなホールのオルガンをいつか弾いてみたいなあ、
と憧れていたっけ。
リーガー社(オーストリア)1986年製作
4段鍵盤、74ストップ パイプ数5898本
でかっ 築地本願寺の3倍の規模です。
25年の間弾き込まれたオルガンはホールと良く調和している。
そして、ホールの響きもとても気持ちがよい。
お客様が入ると、「あれ?」というくらい残響が変わってしまって
本番に焦ることがたまにあるが、
このホールはそんなことを全く感じさせない。
ここではオーケストラでは何度か演奏させていただいたことがあるものの、
ソロは今回が初めて。
ということで、プログラムを決めるのもあれこれ想像力を働かせて
少ない脳みそをフル回転。
この広い空間と立体的な響きのなかで
ぜひ弾いてみたいという思いの強かった
「薄紅の刻(うすくれないのとき」を本願寺から連れ出して、
よその場所で、どきどきの初デビューをさせることにした。
前日、作曲家の近藤岳さんも駆けつけてくれて、
バランスを聴いてくれたり、
本願寺では使わなかった音色を新たに加えたりした。
そして、ついには当日は作曲家自らステージ上でフィンガーシンバルを
鳴らしてくれることに。
出入り自由のお昼のコンサートということで、
客席は真っ暗にライトを落とさず、
入り口のドアーも解放したままにしてお客様をいつも迎えている。
こういう状態だと、うまく演奏に集中できない場合もあるが
25年経ったホールとオルガンから作り出された空間は
とても落ち着いていて集中できる。
また聴いてくださっているお客様も、
一緒に音楽に寄り添って下さっているのを
背中でひしひしと感じた。
いろんなことに助けられたおかげか、
プログラムの中でこの曲の反響が一番良く、
みなさんが非常に興味を持ってくださったことは
このコンサートで一番の収穫かもしれない。
お寺で弾くのとはまた違う表情を見せてくれたこの曲に出会えた嬉しさを、
改めて感じた一日だった。
この時に受けた取材の記事が、
アークヒルズタイムスに掲載されました。
お昼は近藤君おすすめ、近くのホテルのランチで優雅に。
今回も息をピッタリあわせて、名アシスタントで助けてくれた
オルガニストの野田美香ちゃん(名付けて「うすくれないトリオ再演」by岳)、
オルガニストの浅尾直子ちゃんと一緒に。

コンサート後は、やっぱ、肉でしょ。
ビフテキカリー。

築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。



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