オルガンのこと: 2007年10月アーカイブ

オーケストラ

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池袋の東京芸術劇場で、オーケストラの定期演奏会に出演しました。
曲は、マーラー交響曲第2番「復活」
この曲はオルガンの出番が少ないので、
リハーサル中にうろうろして、あちこち撮影してきました。
普段はまったく時間に余裕がなく必死なので、
こんな機会はめったにありません。
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リハーサル風景。
オーケストラ113名、合唱団234名、女性のソリスト2名の大編成です。
両サイドのバルコニーにも合唱団が座っています。
IMG_0029.jpg
これはバンダと言って、ステージ上のオーケストラとは別に、
舞台の裏で演奏する金管アンサンブル。
「復活」のバンダの編成は、トランペット、ホルン、そして打楽器。
音の強弱はステージ横の扉の開けぐあいや、奏者の立ち位置などで調整します。
ここから指揮者は見えないので、モニターと副指揮を見ながらの演奏です。
ステージ上とは全く違う拍子、違う音楽を演奏するので、
その両方を振り分ける指揮者はただただすごい。
指揮者が万が一失敗したら間違いなく、無茶苦茶になります。
ちなみに今回のマエストロ、三石精一さんは、
この約1時間30分もの複雑な大曲を、暗譜で振っていらっしゃいました。
脱帽です。
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オルガンの演奏台から舞台を見下ろしたところ。
このホールはバルコニーが高いところにあって、
舞台からかなりの距離があるので結構怖いです。
休憩中に他の楽器の人たちが遊びに来ると、
たいていへっぴり腰になります。
怖がるのは、なぜか特に男子。
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オルガンの鍵盤。
ここの楽器は5段もあります。
一番上の段はかなり遠いので、演奏するのもひと苦労。
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鍵盤横に並んでいる黒いつまみを、「ストップ」といいます。
これでどのパイプを使うかを決めます。
トランペットや、フルート、オーボエ、ガンバなど
オーケストラに負けない様々な音色を、ここで選びます。
どのトップを組み合わせるかは、
オルガニストによってそれぞれ違います。
まさに腕の見せどころ

ストップの上についているモニターは、
指揮を見るためのもの。
反対側には鏡もついています。

東京芸術劇場は、2台のオルガンが背中合わせに設置されています。
床の円形に区切られた部分が、180度回転する仕組みになっています。
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今回使用する面の裏側。
こちら側は、バロックルネッサンスの2種類のパイプが内蔵されています。
今回の曲で使うモダン面とあわせて、パイプの数は約9000本!!
築地の楽器が約2000本ですから、その規模の大きさには圧倒されます。

オルガンの出番は終楽章の最後のさいご。
たいてい曲の途中でこっそり入るのですが、
このホールでは目立ちすぎるので、今回は1楽章からずっと座ることに。
客席から丸見えなので動くことも出来ず、姿勢も崩せません。
背中に客席の視線が刺さるようです。
演奏していればこんな事はまったく気にならないのに、
ただじっと座っていることが、こんなに辛いとは...
なにしろ足鍵盤があるので、足を床に置くことも出来ないのです。
弾いているほうがずっと楽です。
途中、鏡越しにステージや客席の様子をを眺めたり、
恐れ多くもソリストの佐藤しのぶさんや、
井原直子さんにあわせてこっそり歌ってみたり。
1時間15分が過ぎて、ようやく出番が来るころ、
曲はこれまでの苦難の道のりを乗り越え、
まさに「復活」の喜びに満ちあふれた壮大なフィナーレ。
このフィナーレをこんなに待ち望んだことはありません。
最後にはペダルの一番長いリード管、32フィートのコントラボンバルデ
(これを鳴らすと、床も、壁も、ホール全体がびりびり共振するのが体感できます。テンションが一気に上がります。)まで使って、気持ちよく演奏しました。

翌朝起きると、背中一面が激しく運動をした後みたいに痛かった...
小島 弥寧子

オルガンの調律を教わっています。
まずはごくごく、簡単なところから。

パイプは気温や、湿度の変化により音に狂いが生じるので、
特に寒暖の差が激しいこの季節は、まめな調律が不可欠です。
というわけでオルガニスト自身が調律できると、いざという時にとても便利。

師匠は聖パウロ教会のオルガニストの佐藤礼子さん。
礼子さんは去年の6月に、本願寺でも演奏してくれました。

聖パウロ教会では、築地本願寺と同じように月に一度、
第2金曜日の12:20からランチタイムコンサートが開催されます。

地図はこちらhttp://www.nskk.org/tokyo/church/map_html/paul_m.htm

ランチタイムコンサートのための調律は、彼女が担当します。
毎月のその機会が私の修業の場。
アシスタントをしながら、少しずつ調律も教わっています。
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北ドイツバロック様式のこのオルガンは、辻オルガン工房製の1976生まれ。
築地本願寺の楽器のより5歳ほど若い、31歳。
妙齢です。

パイプにはいろいろな素材や形があります。
中でも真鍮のリードを共鳴させて発音する「リード管」と呼ばれるものは、
弾く度にふるえて動くので狂いやすい。
そのためリード管には調律がしやすいように、
パイプに金属のピンがついていて、このピンの長さを調節して調律をします。
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「まめに調律してしょっちゅうピンを動かしていると、
だんだんピンが自分の居場所を覚えて、あまり大幅には狂わなくなってくるの」
とは礼子師匠談。
賢いです。
まるで生き物みたいです。
楽器も人間と同様、可愛がって手をかけて大切にすることですね。

上の方にあるパイプははしごを使って、高くて狭いところに上がって調律します。
結構怖いです。
足を踏み外さないように注意しながら恐る恐る。
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調律中の礼子さん。
カッコイイです。
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ご覧のように金属の薄い板状の棒でピンを叩いたり、上げたりして調律しています。
ペダルのパイプは大きいのでピンも太く、動かすのが大変なので
小さなトンカチで叩きます。
パイプを壊さないように慎重に。

パイプと鍵盤が離れているので、調律するのと鍵盤を押すのは別の人、
2人がかりです。
リード管は、例えばトランペットのように大きな音が出るものが多いので、
鍵盤を押す人には大声を出さないとと聞こえません。
「え?」「何?」「もう一回言って?」
なんていうやりとりもしばしば。
だんだん耳が疲れてくると、時々空耳が聞こえることも。
...まずいですね。

こんなわけで調律は結構な重労働、ガテン系です。
すぐに汗が出てきます。(冷や汗もちょっと含まれています、たぶん。)
まだまだ音を上手に聞き分けることが出来ないので、
とてもひとりでは出来ませんが、来年の春くらいまでにはなんとか。
...なりますかねえ?礼子師匠。

小島 弥寧子

KUJYAKU

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ららぽーと横浜でカリヨンとオルガンが一体になった、
世界にひとつしかないという面白い楽器を弾いてきました。
ドイツのオルガン工房イェームリッヒ社と、磁器工房マイセン社の共同製作で、40個のカリヨン(鐘)と49本の白いパイプは、なんと陶器で出来ています。
羽を広げたクジャクのようなかたちに作られているので、
[KUJYAKU]という愛称で親しまれています。
IMGP1001-01.jpg
この世にも珍しい楽器を発案したのは、今から約300年ほど前のザクセンの王様、アウグスト2世です。
この王様、白磁器にすごく惹かれて、
日本や中国の膨大な量の磁器をコレクションしていたそうです。
彼は収集した白磁を収納するために、オランダ館を改築します。
その中に日本館の建造を試み、館内の礼拝堂に設置する
白磁で出来たカリヨンとパイプを持つ楽器の製作を命じます。
しかしその計画は、着工する前に王様が亡くなってしまったので、
実現されませんでした。
それから300年近くがたった現在、遠く離れた日本の横浜で
王様の願いがようやく叶えられたわけです。
うーん壮大なロマンです。

2段鍵盤の、上がカリヨンを鳴らす鍵盤、下がパイプを鳴らす鍵盤。
オルゴールと、手回しオルガンを同時に鳴らしたようなかわいらしい音です。
カルメン
カリヨンの発祥は17世紀のオランダ、ベルギーだと言われています。
演奏方法は、大きな鐘をひもで引っ張って鳴らす方法、
(これは人間がぶら下がって鳴らしていたそうです。
鐘はたいがい屋根のほうなど高いところにあるので、
そこからぶら下がるとすると、命がけです。私にはとてもとても......)
大きな鍵盤を足で踏んで鳴らす方法、こぶしでたたいて鳴らす方法、
大きなドラムをまわして、オルゴールのように鳴らす方法などがあります。
現在は、ほとんどコンピューターで自動的に鳴らしているようです。

オランダに留学していた友人に聞いた話によると、
音楽大学にはピアノ科、声楽科と同じようにカリヨンの演奏を勉強する課程があって、専門にカリヨンを演奏する人を「カリヨニスト」と言うそうです。

今回はメゾソプラノの向野由美子さんと、シャルウィーダンス、小さい秋見つけた、のハバネラなどを演奏しました。
どの歌も素敵でしたが、最後のカルメンは圧巻!会場の空気を一瞬にして変えてしまいました。

向野さんのコンサート情報
~OB交響楽団第167回定期演奏会~
10/14(日)すみだトリフォニー大ホール
開演 14:00(開場13:30)
出演 遠藤政孝[指揮]
向野由美子[アルト]
羽山晃生[テノール]
OB交響楽団
曲目 マーラー/交響曲第10番「アダージョ」
大地の歌  
チケット [全席自由]¥1,000
問合せ 渡辺090-6524-9045 obsym@nifty.com

~湘南アマデウス合奏団 定期演奏会~
10/27(土)藤沢市民会館大ホール
開演 14:00
曲目 W.A.モーツァルト「リタニエ」他
アルトソリストで出演。
HPはこちら

~藤原歌劇団公演 オペラ「蝶々夫人」~
11/17(土)テアトロ・ジーリオ・ショウワ
開演 15:00 (開場14:00)
スズキ役で出演
HPはこちら

~オペレッタ「こうもり」~
12/25(火)14:00~
12/27(木)18:30~
HPはこちら
オルロフスキー公爵役で出演

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次回のカリヨンライブは、10/28(日)13:00~/15:00~
詳細はこちら

この日はこどものためのプログラム。
パイプや鐘はどうやって鳴るんだろう?構造はどうなっているんだろう?
実際に弾いてみよう...など、
ワークショップ風にやってみようかと思っています。
こどもたちはこの楽器が大好き。
お子様連れの方、お散歩がてら遊びに来て下さい。
小島 弥寧子

10月26日(金)

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東京・築地で毎月最終金曜日に開催されているランチタイムコンサート。
次回は10月26日12:20~12:50です。
演奏は山本久美子さん。
入場無料です。
地図はこちら

9月ももう終わりだというのに、気温30度を超えた28日金曜日、21回目のランチタイムコンサートが行われました。
演奏して下さったのはオルガニストの永見亜矢子さん。
今回は、ソプラノの鈴木江美さんも一緒に出演して下さいました。
IMG_0228.jpg 永見さんは優しく柔らかい笑顔が素敵です。
曲や作曲家のエピソードを、
演奏の合間にお話しして下さいました。
声のトーンが落ち着いていて、ゆっくりお話しされるので、
エレガントです。

プログラムの最初と最後に演奏されたオルガン曲は、
ブルーンスとブクステフーデという、
どちらも北ドイツバロック時代の作曲家のもの。
演奏は躍動感に溢れていて、リズミカル。
とても力強く、楽器がよく鳴っていました。
とにかくカッコイイ!
普段の穏やかな雰囲気と、
楽器を前にした時のギャップにやられました。
昔なにかで読んだのですが、意中の彼(死語ですか?)を落とすには、
「ギャップ」が大切だそうです。
...全くの余談でした。

一方ソプラノの鈴木江美さんは、明るくてきらきらとした、
元気いっぱいの女性です。
とても豊かな響きで、本堂が満たされます。
中でもベルリーニの「優雅な月よ」は、
しっとりとした艶っぽい演奏が印象的。
折しも満月のころでしたので、そんなお話しも交えながら
歌って下さいました。
<img alt="IMG_0231.JPG" src="http://www.engi.jp/blog/pipe/IMG_0231.JPG" width="375" height="278" />
この日は、いつもに増してたくさんの方がいらして下さいました。
おおよそ450名。すごいです。

ランチタイムコンサートは、会社のお昼休みを利用して来て下さる方、
小さなこども連れの方などいろいろな方がいらっしゃるので、
出入りは自由です。
演奏者にとって、出入りの音や、人が動く様子などが気にならないか、
ということがいつも心配ですが、
会場はお2人の演奏に聴き入っているといった感じで、
本当に静か。
心地よい緊張感のある雰囲気でした。
<img alt="IMG_0237.JPG" src="http://www.engi.jp/blog/pipe/IMG_0237.JPG" width="375" height="278" />
永見さん、鈴木さん、ありがとうございました。

なお以下は永見さんの、近々行われるコンサート情報です。
○10月12日(金)12:20開演
聖パウロ教会ランチタイムコンサート
TEL03-3710-6031
東横線祐天寺駅より徒歩5分
地図は<a href="http://www.nskk.org/tokyo/church/map_html/paul_m.htm" title="聖パウロ教会MAP" alt="聖パウロ教会の地図を表示します。">こちら</a>。 

○11月29日(木)19:30開演
Pipe Organ Pre Christmas Concert
場所:Casa d'angela(みなとみらい線、馬車道駅6番出口より徒歩0分)
チケットお取り扱い・お問い合わせ concert-soleil-7@hotmail.co.jp
tel.080-2075-0326 fax.045-801-9256
チケット代 前売り2500円(学生2000円) 当日3000円

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「築地本願寺」
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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。