オルガンのこと: 2008年2月アーカイブ

青い空がきれいです。
IMG_0124.jpg

今年のトップバッターは、我らが築地本願寺正オルガニスト
伊藤繁先生
お人柄そのものの笑顔!
IMG_0137.jpg
今回はお父様築地本願寺初代オルガニストの、
伊藤完夫さんの作品を演奏されました。
完夫先生は、日本にまだオルガンがごくごく僅かしかなかった今から37年前、築地本願寺にオルガンを入れるためご尽力された方です。
完夫先生は残念ながら数年前に亡くなられましたが、毎月ランチタイムコンサートで、たくさんの方にオルガンの音を聴いてもらっていることを、きっと喜んで下さっているはずです。

演奏されたいずれの曲も、仏教賛歌を題材に扱ったオルガンの独奏曲。
プログラムには、曲の内容がよりわかるように歌詞が添えられました。
IMG_0144.jpg
伊藤先生は大学の教授、お話しもさすがです。
IMG_0140.jpg
プログラムの「ふれあるき」という報恩講を歌った楽しい曲についてのお話し。
歌詞に「あまざけできたよ けんちゃんたけたよ」の一節がありますが、
このけんちゃんはけんちん汁のこと。
けんちん汁は鎌倉にある建長寺のお坊さんが食べていた建長汁がなまって、けんちん汁になったのだとか。
会場の皆さんとともに「へえ~っ」。

四角いボタンがオルガンのストップです。
ストップの形状も楽器によって様々。
IMG_0153.jpg
前回のブログの府中の森のオルガンには、コンピューターのメモリー装置が入っていて、256通りの音の組み合わせを記憶出来ます。
築地のオルガンにはコンピューターが組み込まれていないので、
前もって演奏者が決めた音の組み合わせを準備しておけるのは、
写真のつまみ、そして四角いボタンの計3通りです。
記憶装置が3通りしかないということは、
演奏者の横にいるアシスタント、つまり私の仕事が増えるというわけです。
特に赤と白のつまみは細いので、見まちがえないように。
IMG_0152.jpg
あっ、ご輪番も見えています。
IMG_0155.jpg
終演後は伊藤ゼミの学生達と共に場外のお寿司屋さん、すしざんまいへ。
%E5%AD%A6%E7%94%9F%E9%81%94_0635.jpg
コンサートというよりは、どうやらこのお昼ご飯を目指してやってきた彼ら、
旺盛な食欲で次々食べる、飲む...
昼間のビールは美味しいねえなんていいながら。
恐ろしいです。
伊藤先生、ごちそうさまでした。

次回のランチタイムコンサートは、2月29日(金)12時20分開演です。
演奏者は岡本桃子さんバッハの名曲パッサカリアから現代曲まで演奏して下さいます。
お楽しみに!

2/9の府中の森芸術劇場ウィーンホール、プロムナードコンサートの模様。

ドイツPASCHEN社 1991年制作
%E7%B9%A7%EF%BD%A6%E7%B9%A7%EF%BD%A3%E7%B9%9D%EF%BD%BC%E7%B9%9D%EF%BD%B3%E7%B9%9D%E5%B8%99%E3%83%BB%E7%B9%9D%EF%BD%AB_0660_1.jpg
上の方にある垂直に突き出したパイプを、水平トランペット管といます。
スペインのオルガンによく見られる、強くて華やかなトランペットのパイプです。

この四角いボタンをストップと言います。
%E7%B9%A7%EF%BD%B9%E7%B9%9D%E5%8C%BB%E3%83%A3%E7%B9%9D%E8%AA%890654_1.jpg
ひとつひとつに音色の名前が書いてあります。
このボタンを押してどの音色(パイプ)を使うか選びます。

丸いボタンは、選んだストップを記憶させる装置
%E7%B9%9D%EF%BD%A1%E7%B9%9D%EF%BD%A2%E7%B9%9D%EF%BD%AA%E7%B9%9D%EF%BD%BC%E7%B9%A7%EF%BD%B9%E7%B9%A7%EF%BD%A4%E7%B9%9D%E3%83%BB%E3%83%A1_0652_1.jpg
記憶させたメモリーの番号は楽譜に書き記します。
演奏中この番号のボタンをアシスタントに押してもらう、
あるいは自分で押すと音が変わっていくわけです。
%E8%AE%8C%EF%BD%BD%E9%9A%B4%E5%BD%910690_1.jpg
ウィーンホールには、演奏台と舞台をつなぐ階段があります。
転がり落ちないように、慎重に。
%E8%B2%8D%E6%B3%8C%EF%BD%A5%E4%B8%9E%E5%BA%8A%E7%B8%BA%E4%B9%9D%EF%BD%89%E7%B9%A7%EF%BD%B9%E7%B9%9D%E3%83%BB%E3%83%BB%E7%B9%A7%EF%BD%B8%E7%B8%BA%EF%BD%B8_0659_1.jpg
この日はすごく寒くて空気が乾燥していました。
湿度計は29%を指しています。
30%を切るとオルガンにもいろいろトラブルが起こるので要注意。
急遽客席から見えない位置に、加湿器を置いてもらうことに。
%E8%9C%89%EF%A3%B0%E8%B2%89%EF%BD%BF%E8%9D%8E%EF%BD%A8_0665_1.jpg
尺八も、本番前日に乾燥で楽器にひびが入ってしまいました。
当日はテーピングでしのいで無事演奏できましたが、終演後、加藤さんは楽器屋さんに走って行きました。
乾杯のビールもなしに。
お疲れさまでした。

ウィーンホール
はオルガンの為に、良く響くように作られています。
オルガン以外の楽器、特に打楽器なんかの演奏をするためには、残響が多すぎてしまうので、残響可変装置が天井につけられています。
%E8%B0%BF%E7%9F%A9%E6%B6%B8%E8%9C%BF%EF%BD%AF%E8%9E%9F%E8%8A%BD%EF%BD%A3%E3%83%BB%EF%BD%BD%EF%BD%AE_0661_1.jpg
グラス・ウールという特殊な素材を使ったこの装置、オルガンソロの時には残響が最大限にあったほうがいいので、完全に引っ込めておきます。

響きを減らしたい場合にはこの残響可変装置を出してきて、音を吸収させてしまうのです。
すごいです。

祭り囃子のリハーサル。
%E7%B9%9D%EF%BD%AA%E7%B9%9D%E4%B8%8A%E3%83%BB%E7%B9%A7%EF%BD%B5%E7%B9%9D%EF%BD%AB_0669_1.jpg
2人の打ち合わせが実に興味深い。
横笛西川さん「僕がひぃーっと2回吹いたら、」
太鼓多田さん「スケテンテンですね」

横笛
もいろいろ使いました。
%E8%AE%93%EF%BD%AA%E9%9A%A8%E5%B8%99%EF%BC%9E%E7%B9%A7%E9%98%AA%EF%BC%9E%E7%B9%A7%E6%B5%A90674_1.jpg
終演後、みんなで記念撮影。着物姿が決まっています。
%E7%B8%BA%EF%BD%BF%E7%B8%BA%EF%BD%AA%E7%B8%BA%E8%BC%94%EF%BD%93%E7%B8%BA%EF%BD%A7_0679_1.jpg
向かって右から尺八の加藤さん
加藤さんとは、鹿の遠音という尺八の古典の曲で共演。
オルガン尺八の音色がよく似ているので音のバランスが難しく、ぎりぎりまであれこれ試行錯誤。
本番2日前のリハーサルの録音を、前日にメールで送ってくれたときの文章。
『鹿の遠音、なんか「宇宙」って感じでいいですね。私はETに見えることでしょう』。
暗闇にスポットの当たった加藤さん、そう言われて見ればたしかに...。
本番中は邪念が生まれてはいけないと、鏡を極力見ないようにしました。
彼は次回の東京ボーズコレクションに出演を熱望。
ヘアースタイルは問題なくクリアーです。

袴姿がかわいらしい打楽器の多田さんは、実に楽しそうに生き生きと演奏されます。
たくさん楽器を持ち込んで、いろんなアイディアをだしてくれました。
リハーサル後降り積もった雪の中、「ゆっくり帰ります」と笑顔で車で去って行ったときは、ドキドキしました。

袴だったらオルガンも演奏できるかな?

そして川口リリアでも共演して下さって、すっかり仲良しになった箏の久本さん横笛の西川さん。


西川さん、久本さん、多田さん
2月23日(土)14:00より二俣川サンハートホール「日本の響き 邦楽をあなたに」というコンサートに出演します。
詳しくはこちら。

1月24日川口リリアホール、 ワンコインコンサートの模様。 パイプは照明によって色が付けられます。

フランス音楽メドレーのクライマックス、 ボレロの時には赤くお化粧してもらいました。                   

%E9%AB%B1%E5%81%B5%EF%BC%9E%E7%B9%9D%E4%BB%A3%E3%81%86%E7%B9%9D%E8%AA%890609_1.jpg

これはの楽譜。  私にはさっぱり読めません。

「盤渉調調子」 という曲では、オルガンも自由に加わらせてもらうことに。

ものすごく不思議な世界が出来上がりました。

盤渉調は西洋音楽のロ短調に相当する調子。

「冬の調子」とされていて、 冬に演奏する曲だそうです。

もいくつかの管で出来ているので、 言ってみれば「ミニパイプオルガン」

身体は小さいですが、オルガンがかなり大きな音を出しても、 全くひけをとりません。

%E9%81%BD%EF%BD%B3%E9%81%BD%EF%BD%A5%E8%AE%8C%EF%BD%BD%E9%9A%B4%E5%BD%910612_1.jpg

これはシューベルトのアヴェ・マリアに、 篳篥(ひちりき) のための漢数字をふった楽譜。 

%E9%9A%A8%E5%90%B6%E3%83%BB%E8%AE%8C%EF%BD%BD%E9%9A%B4%E5%BD%910611_1.jpg

この曲ははいろんな楽器と共演しましたが、 こんなに切ないアヴェ・ マリアは初めてでした。

どうしても夕暮れを連想してしまうのは、どうやらお豆腐やさん...あっ失礼。

それにしても篳篥って難しい漢字。 知らないことだらけで、いろいろ勉強になります。

 %E9%82%82%E5%86%97%E5%B3%A1%E8%9E%82%E4%B8%88%EF%BD%B8%EF%BD%AD_0608_1.jpg

20絃箏ソロ、リハーサル中。

  %E9%82%A8%E3%82%88%EF%BD%BC%E6%B3%8C%EF%BD%BE%E3%83%BB_0621_1.jpg

終演後に皆さんで。

笙・ 篳篥西原祐二さん。

この姿には圧倒されました

楚々とした着物姿(でも演奏は結構男前) の久本圭子さん。

そしてオリヴィエ・ メシアンのオルガン曲に合わせてシビレる即興演奏をして下さった横笛西川浩平さん。

%E3%83%AA%E3%83%AA%EF%BF%BD621.jpg 

これはやみつきになりそうです...

こちらはリリアホールのオルガン担当の飯野正さん。

この方のニコニコ笑顔を見ると、本番前の緊張もほぐれます。

いつも本当に細やかに気を配って下さいます。

うっかりしてる間にもう明日の話で恐縮ですが...

2月9日(土) 14時から府中の森芸術劇場プロムナードコンサートで、 再び日本音楽集団の方々と共演します。

入場無料ですので土曜の午後、 お散歩がてら遊びに来て下さい!

小さいお子さんがいらっしゃる方のために、 10: 30からは子供向けのプログラムを演奏します。

出演:

横笛... 西川浩平

尺八...加藤秀和

筝...久本桂子

打楽器... 多田恵子

オルガン... 小島弥寧子

詳しくはこちら

小島 弥寧子

Mineco-Link

「築地本願寺」
パイプオルガンを持つ不思議なお寺。
「柳澤文子の日常会話 」
オルガニスト柳澤文子さんによる日々のブログ
「イタリヤ山小屋日記」
オルガニスト吉田愛さんによる日々のブログ。

縁起メルマガ

メルマガ登録・解除

*メールアドレスを入力


読者登録規約

築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。