オルガンのこと: 2008年10月アーカイブ

9月のランチタイムコンサートで弾いてくださったのは、
オルガニストの早川幸子さんとオーボエの市川鉄也さん。
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オーボエの音色を聴けるのは初めてとあって、
呼び込みは場外のお寿司屋さんにだって負けないという、おなじみこの方も、
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チラシ配りは早めに切り上げて本堂でスタンバイ!




市川さんの奏でる繊細かつ豊かな音は、
初秋のコンサートにまさにぴったり。
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ラインベルガーやシューマンといった曲の
ロマンティックな響きが本堂を満たした。
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早川さんのこの手から作り出されるのは、
何とも言えぬ温かくて優しい音。
この時期バタバタとして、何となく張りつめていた気持ちも
ほわっとほぐれた。

「心のマッサージ いたします 築地本願寺 ランチタイムコンサート 秋」 
こんなキャッチを思いつきました。だめ?


赤ちゃんも
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おとなも
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気持ちよく。だって瞑想ですもの。















ところでペダルパート(3段目)に書き込まれた ∧ ←この記号、なんだと思います?
音符の上部が右足、下部に書かれたものが左足、つまり足使いを記したもの。
この他に ∪ ←こんな記号もあります。かかとを使って弾く印。
これであなたもオルガンが弾けるかも?

うちに帰ったら早川さんからこんなメールが届いていた。

「今日のコンサートでは本当にお世話になりました。
コンクールや他のお仕事山積みの怒涛週間だったにもかかわらず、
頼りになる姉御のように(!)プロフェッショナルな仕事振りで
支えて下さって、本当に有難うございました。
〜(中略)〜
最近、「男前」という褒め言葉をよく目にしますが、
弥寧子さんはラテン系男前な方(お洒落で可愛いところもあり、ですよ〜)
という印象で、〜〜」

私よりおねえさまの早川さんを前に、
またもや最近あちこちで言われるこのキャラを全開にしてしまった。
す、す、すみません...


秋はしっとり女らしく参る所存でございます。
おほほほ。



次回10月31日(金)イグナチオ教会オルガニストの浅井寛子さん。
プログラムは、
 F. コレア・デ・アラウホ :5声部による第1旋法のティエント
 柿沼唯:蓮花
    平井康三郎:咲き匂う (佛教賛歌より)
    F. メンデルスゾーン:ソナタ第1番

浅井さんからのひとこと 
2000の風、それぞれに色があり、力があります。
それらが交じり合い、組み合わさり、拡散したり凝集されたりする様を
皆様と一緒に楽しむことができたら嬉しいです。


お楽しみに!

今年は4年に一度、オリンピックイヤーに開催される
武蔵野市国際オルガンコンクールの年。
この春にフランスのパリ、アメリカのボストン、そして豊田市の3カ所で予選が行われ、
出場権を獲得した9カ国18名のオルガニストたちが9月に武蔵野に集まった。

そのプレ・イベントで演奏したり、出場者たちのアシスタントをしたり、
各国から来日した審査員のコンサートのアテンド、アシスタントをしたり、と
私も先月はコンクール一色。

街のあちこちにはコンクールのポスターが見られる。
三鷹駅前ロータリー
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武蔵野市民文化会館のオルガン
デンマーク マルクーセン社1984年制作
(ただいまチェンバロコンサートのリハーサル中)
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このオルガンには前面のパイプケースにシャッターが付いていて、
演奏中開閉するのを実際に見ることが出来る。
これは全開の状態。
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音を小さくしたい時は足下のペダルで操作して閉める。
鳩が「こんにちは」と出てきそう。
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ホールの照明。
ぐるぐる
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出場者はそれぞれリハーサル時間をもらって決めた音色を、
内蔵されたコンピューターに記憶させる。
オルガンの場合演奏はもちろんのこと、レジストレーション(音色の組み合わせ)も
審査の対象となるので、音を決めるのは重要な作業。
演奏している場所と客席では音のバランスが全く違って聞こえるので、
出場者本人が客席に立ち、我々アシスタントが弾いて、
「あのストップを引っ込めて、こっちを出してみて」
なんていうことを繰り返す。
こうして決めた音色を、このオルガンの場合フロッピーに読み込ませ(Save)、
演奏する時は呼び出す(Load)、というシステム。
ボタンを押し間違えると、時間をかけて決めた何百通りもの音色が
一瞬にして消えてしまう。
ひいぃ〜っ。恐ろしすぎます。
注意深く、念には念を押して指差し確認。
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このコンクールはコンサート形式で、一般公開されていた。
今回の一次、二次予選は審査の公正を期すために、
審査員席だけは厳重についたてで囲まれて、演奏者が見えないようにしてあった。
ある審査員の先生は、「僕たち檻の中の動物だよわっはっは。」と笑っていた。


なるべく良い状態で演奏できるよう、
開演直前、ぎりぎりまで調律が行われる。
落ちないでね。
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私が担当したのは一次予選で3人、二次予選で2人、本選で1人。
出場者は当然のことながら、みなそれぞれに気合いが入っているし、
緊張もしている。
彼らの邪魔にならないよう、負担をかけないよう、呼吸を合わせられるよう、
細心の注意を払って臨んだ、こちらも緊張感たっぷりの日々だった。

日程が長いので、結構なハードスケジュール。
出場者はコマが進むにつれ、とにもかくにも体力勝負だ。

彼らが真摯にオルガンに向き合う様子には、本当に頭が下がる思いだった。
心からがんばれ!と応援したい気持ちになってくる。
残念ながら次に進めない人もでてくるが、
「ちょっとぉ、順番なんかつけないでよね」なんて言いたくなってくる。
これがコンクールだということも忘れて。

「へえっこのアイディアもらった!」というような
音を決めるときのマル秘レシピを知ることが出来たり、
ものすごい!演奏の瞬間に立ち会えたりしたことはかけがえのない体験になった。
世界各国の若き才能あるオルガニストたちと友達になれたこともね。


本選に残った5人の出場者たち。
演奏終了後、力を出し切ったいい笑顔です。
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ところで楽譜に音色の指示を書き込むとき、
よく付箋(post itっていうあれです)を使う。

多くの出場者が羨ましがったのが、これ。
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これを探し求めて2時間も
吉祥寺の街を歩き回ったけど、見つからなかったよ...
と肩を落としてリハーサルに現れる人まで。

お土産に持たせましたよ。

付箋だと糊のついていないところは
切り取らなければならないが、
これは全面に糊がついているので、
ゴミが出ない。
エコです。
かゆいところに手が届く、
日本が誇れる文房具。



私のリード管調律の師匠、礼子さんがヨーロッパに出かけて1ヶ月留守にしている間に、
聖パウロ教会のランチタイムコンサートのための調律を1人でやることになった。
約1年間師匠とともに修行してきて、ついにどきどきの調律デビューである。
礼子さんのお弟子さんの、かわいらしい高校生に鍵盤を押してもらいながら。



手が入らないような、こんな奥の方にあるパイプの調律は大変だ。
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しかも狭いところでおかしな格好をして
長時間調律をしていると、
いろんなところがしびれてくる。
まだまだ慣れないので
身体も力んでいるのかもしれない。
耳が疲れてくると音が合っているかどうかも
わからなくなってくる。
高い音なんかは超音波なみだし。

でもね、今回は
「礼ちゃんもうわかんないよ、助けて〜」
といつもの甘えた声は出せないのだ。
ちぇっ。

ふとヨガでキツいポーズをとって
プルプルしているときに先生に言われる言葉を思い出して、
息をふか〜くはいてみる。
おやっ?肩のりきみが取れて、
耳も正常に働きだしたぞ。



こうして自分で少しずつ
いい方法を探りながら見つけていくしかない。
ま、演奏も同じか。

いつもの倍以上の時間をかけて、汗だくでなんとか無事終了。




この教会で一番好きな場所、中庭。
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礼子さんも私もこいつに夢中。
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お向かいの「まめ」はしょっちゅう
教会に遊びにくる。

猫のくせにすぐおなかを見せて甘える。
しどけないすがたもたまらにゃい。
おなかの片側をなでると、
反対側も!と言わんばかりに
くるりとひっくり返るまめ。
礼子さんたらオランダにいても
メールでまめの様子を聞いてくるほどの
入れ込みよう。

まめは双子なんだよ!と言われて、
うっかり「へえ〜」と関心してしまったが、
よく考えたら猫だもん。
4つ子5つ子は当たり前でしょ。









ここ祐天寺までは、自宅から自転車で来られるので、
うろうろと寄り道するのも楽しい。

お気に入りのカフェ、ココモkaffe
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ひとつひとつ丁寧に作られる
お食事やコーヒー。
なにをたのんでもおいしい。
店内は時間がゆったりと流れている。
どことなく、映画かもめ食堂の雰囲気。



















北欧のアンティークの器も素敵です。
この青、いいでしょ。
プリンもとろとろで絶品です。
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小物がひとつひとつ女子心をくすぐる。
この鳥の文鎮?欲しいんだよね。
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帰り道に見つけた、昭和の香りたっぷりのお店
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なかなかいいでしょ?祐天寺。

さて、聖パウロ教会のつぎのランチタイムコンサートは
10/10(金)12:20〜。演奏者は吉田愛さんです。
そうです、おなじみイタリアの愛ちゃんがいま一時帰国しています。
テーマは「イタリアとバッハ」
生愛ちゃんを見たい、演奏を聴きたい方、ぜひどうぞ。
あ、まめに会いたい方もね!
いるかどうか約束は出来ないけど。











軽井沢には個人のお宅にホールとオルガンがあって
そこに寝泊まりもできるという、
夢のような場所がある。

フランス・オーベルタン社2001年制作
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この楽器に適したフランス古典音楽を勉強するために、
ここでは毎年早島塾が開催されて、たくさんのオルガニストが集まる。

ただいまお勉強中。
話題は17世紀にパリで活躍したマルシャンという作曲家の生涯について。
この人、悪の限りをつくして奥さんから離婚を言い渡され、
莫大な慰謝料を要求される。
ベルサイユ宮殿の礼拝堂で稼いだお給料は差し押さえられて、そのまま奥さんのもとへ。
そんなことが楽譜の前文に書かれて、後世まで語り継がれ、
私たちに「相当のワルだよ...」なんて囁かれている。
ああ、マルシャンよ...
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夜はこのホールがリビングになる。
オルガンの前で飲んだり食べたりなんてちょっと考えられないでしょ?
この日のメニューはスペイン料理。
万紀子先生がパエーリャを、
わたしがガスパチョとスペイン風オムレツを担当。
うま〜い!!
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テラスで優雅に朝食。
木漏れ日にきらきら光る緑。
う〜ん、たまらない...
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表札もパイプでできている。
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このオルガンの持ち主
いつもにこにこ大澤圭三さん
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そしてみんなが大好き、
優しくてチャーミングな美代子さん
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オルガンはもちろんのこと、このご夫婦に会えるのも楽しみのひとつになっている。

この日はオルガニストの松居直美さんが礼拝コンサートで演奏されていたので、
クラスの合間に、みんなで近くにある軽井沢追分教会へと出かけた。
ここにも素敵なオルガンがある。

オランダ・ライル兄弟社1992年制作
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演奏台
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コンサート終了後はお庭でティーパーティ。
素敵すぎます。
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軽井沢ばんざい!


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「築地本願寺」
パイプオルガンを持つ不思議なお寺。
「柳澤文子の日常会話 」
オルガニスト柳澤文子さんによる日々のブログ
「イタリヤ山小屋日記」
オルガニスト吉田愛さんによる日々のブログ。

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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。

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