オルガンのこと: 2009年4月アーカイブ

           今回は桜満開、花吹雪の舞う中で開催!
           お昼ご飯は花見がてら、のはずが、ああ残念...
           桜さん、今年はなかなかお顔を見せてくれず

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青空のなか石川さんのさわやかな笑顔に誘われてか、
はたまた築地市場に負けない大っきな呼び声につられて?!
たくさんのお客様がいらして下さった。
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3月に演奏して下さったのは、ミューザ川崎オルガニストの近藤岳さん。
こちらも負けずに!さわやかな笑顔と、柔らかくて優しい語り口。
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最初に近藤さんからいらしてくださったみなさまに、ちょっとした提案があった。
「今日のプログラムは、はじめから終わりまでをひとつの物語として考えました。
そこでみなさんにもお手伝いをお願いしたいと思います。
もし拍手を下さるのであれば、
どうぞ一番最後の曲が終わってからまとめていただけるでしょうか。
曲と曲の間は、本のページをめくる部分とお考えいただいて、
そのままお聴ききいただければ、と思います。」

一同「ほお〜っ。」
うんうんとうなずく方も。

なんだか面白そうなことが始まるぞ...

物語の目次はこんなふう。

■仏教讃歌 日高脩作曲「きよけきひかり」による即興演奏(プロローグ)
■J.P.スウェーリンク(1562-1621): 緑の菩提樹の下で 
■J.A.ギラン(? - 1739): ティエルスをテノールで 
             (「第2旋法の組曲」より) 
■J.S.バッハ(1685-1750):フーガ ト短調 BWV 578
■J.S.バッハ       :前奏曲とフーガ ハ長調 BWV 545
■仏教讃歌 「きよけきひかり」による即興演奏(エピローグ) 


仏教讃歌「きよけきひかり」の美しいメロディを使って
パリ仕込みの即興演奏を「プロローグ」として披露してくれたその瞬間、
本堂全体がぐっと彼の世界に惹き込まれた。
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緊張感と集中力、そして静けさ。
「音が空間を作る」のを身体全部で体感。

好きだなぁ、この感じ。

なんだかぞくぞくっときた。
この「ぞくぞくっ」は、人生のなかで多ければ多い方がいいと思っている。
一回体験するごとに身体に貯蓄されていくような気がするからね。
わたしは確実にここで得してるな。


曲は祈りや瞑想のようなものがしばらく続く。
並んで座るみなさんの背中が
静かに深いところでオルガンの音色を楽しんでいるように見えた。

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最後のバッハになって、いきなり光とエネルギーに満ち満ちた時間がやってきた。
草木や、動物達が一斉に目覚めて動き出すような感覚だ。

ふ〜むなるほど、こういうことか!

最後のエピローグは、冒頭のきよけきひかりを
今度は力強く、豊かな音色の即興で締めくくってくれた。

しばしの静けさの後、
いらして下さった方々は、今までがまんしていた拍手を思いっきり。


築地本願寺の副オルガニスト、山本久美子さんがわたしに下さったメール。
今日の演奏は心に染み入る名演でしたね。
初めてオルガンを聴いた方も、何か訴えかけてくるものを感じ取って
余韻に浸りながら帰られたことでしょう。」


ところで上の写真にずらっと並んでいるチラシは、横浜みなとみらいホールや
神奈川県民ホール、彩の国芸術劇場に、東京芸術劇場、聖パウロ教会や、
聖路加国際病院礼拝堂などなど...あちこちのオルガンコンサートのもの。

築地本願寺・ランチタイムコンサートのチラシも、それぞれの会場のオルガンコンサートで
配っていただいている。
今回のご縁でミューザ川崎でも、昨日のオルガンコンサートでチラシをまいて下さった。
次第に多方面のお客様が増えてきているのは、こんなうれしい協力があるから。

これらのチラシは、普段はオルガンの演奏台の後ろに並べてあります。
みなさまご自由にお持ち下さいませ。




この4月から、これまでランチタイムコンサートを支えてくれた
伝道学事部の神田智佳さんが大阪に転勤されることになった。
せっかく仲良くなったのになぁ。さみしいかぎりだ。
智佳さん、大阪食い倒れツアーに必ず行きます。
おなかをすかせて待っててね。























さて、次回のランチタイムコンサートは明日4月24日(金)12:20〜
ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール)から保田紀子さんにおいでいただきます。
ーーーーーーーーーーーー
演奏曲目
伊藤完夫:オルガン奏鳴曲「讃仏」 より
        苦しみ 悩み
F.メンデルスゾーン:前奏曲とフーガ ハ短調  Op.37
F.リスト:コンソラシオン(慰め) 変ニ長調
M.レーガー:序奏とパッサカリア ニ短調

保田さんより一言
「学生時代、築地本願寺のオルガンコンサートを初めて聴かせていただいたオルガニストが、
ドイツに留学して師事することになったサットマリー先生でした。
今回、そのオルガンを弾かせていただけることになり感慨深く思っております。」

続いておなじみ横浜みなとみらいホールで、久しぶりにルーシーと再会。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会。

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曲はブルックナーの「テ・デウム」

 

オーケストラと神奈フィル合唱団のリハーサル風景。

ななめ上横から撮ってみた。

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今回、このオーケストラの音楽監督であるマエストロ・シュナイト氏が

指揮を振る最後の定期公演となる。

 

毎度のことながら、本番で演奏するルーシーでオーケストラと合わせられるのは

当日のリハーサル一回限り。

音のバランスがとても気になるところだ。


小さなオルガンはストップ(音色を変えるノブ)を自分で、あるいはアシスタントが

手で出し入れして音色を変える操作をするが、

このように60個以上もストップを持つ大きな楽器ではそれがかなわないので、

オルガンの中にコンピューターが組み込まれている。

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今回私がホールからもらったメモリーの番号は、61から70

61-161-2...61-20というように各ランクに20個の音の組み合わせを入力できる。

20×20400通りの音色を組み込んで準備しておけるというわけ。

あらかじめ別の日にホールにひとりで行って、

音をあれこれ考えて組み合わせて、ここに記憶させておく。

この作業を通称レジスト(レジストレーションの略)と言う。

オーケストラとのバランスが難しい今回のような場合は、

リハーサルで指揮者の要求に出来るだけさっと対応できるように、

各場面につき音をちょっと小さめに作ったもの、大きめに作ったもの、

その間くらいのもの、というように3通りくらい用意しておく。

 

シュナイト氏は、練習の時みんなが震え上がるほど厳しい。

目指す音楽を常に厳格に持っていて、決して妥協を許さないのだ。

オーケストラが盛り上がってテンポが速くなりそうになると、

ぐっと馬の手綱を引き寄せるかのように、

決して、決して先には急がせない。

「すべての音をよく聴いて。よく聴いて。」口に出さずとも、こんな声が聞こえて来る。

かなりのお年と見たが、気迫満点だ。

いつ指揮棒がオルガンのところまで飛んでくるんじゃないかと、

ヒヤヒヤドキドキ。

 

この曲のリハーサルに入る直前、いきなり「オールガン」と呼ばれた。

「うわっ来た...。」

「オケは静かに!!」

...一同しーん...

大声で指揮者とやり取りをするこの瞬間が、

小心者の私はいつまでたっても苦手。

シュ「ちょっと弾いてみて。」

私「は、は、はい。」

シュ「大きい!ミクスチャーを引っ込めて。」

私「これでどうですか?」

シュ「うーんやっぱりもう少しなにか足して。」

私「リード管をすこし足しました。」

シュ「今の足使いはどうなの?

僕はオルガンも弾けるんだよ。」

私「げっ、マジ?(これはつぶやき)」

なんていうやり取りを繰り返しつつ、なんとか切り抜けた。

途中思うところと少しでも違う音楽になりかけると、

ここに大映しになった彼の顔色がぱっとかわる。

「ひいぃぃ。」

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本番直前まで舞台上で微調整をするのはいつもティンパニーと

(後ろから失礼)

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ハープ。

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この方々の合間を縫って、往生際悪く最後まで残って

ぎりぎりまで音を考えている。

 

ない頭を一気に使うこんな時は、本番でぷっつり集中力が切れぬよう

チョコレートと、即エネルギーになるバナナを食べて、いざ出陣。

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ところで今回は使わなかったが、ルーシーは

日本では珍しい「チューバ」の音色のパイプをいくつか持っている。

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このペダルのTuba profunda 32'の最低音は

地を這う、うねるような響きと振動。

アイススケートの安藤美姫ちゃんがこのシーズン使っていた、

サン=サーンスの「交響曲第3番・オルガン付き」の

フィナーレの最後の最後でこのストップを引っ張ると、

「う〜んオルガン弾いてて良かった」と思うたまらない瞬間がやってくる。


でもね、美姫ちゃんの演技用にカットされたヴァージョンは、

オルガンが入っていない前半部分が延々と流れて、

ラスト10秒で「ジャーン」とオルガンが鳴るクライマックスの部分が

突然付け足されてある。

わたし的にはどうよ?あれ。

まずは少し前のことになるが千葉の八千代市民会館での

「モーツァルト レクイエム演奏会」にオーケストラの一員として出演したときのお話。


幸運なことにこの曲とは縁があって、

もう何度も演奏する機会に恵まれている。

1曲目の始まりのファゴットのメロディが聞こえてくるだけで、

いつもぐっと来てしまう大好きな曲のひとつ。


おっ今日は満員だ!

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ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉と、市民による合唱団の

リハーサル風景。

指揮は岩村力さん。

真ん中にあるのがポジティフオルガン。

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 この種の曲のオルガンは

「通奏低音」と言って、

チェロやコントラバスと

同じようにオーケストラを

支える役割を与えられる。







本来オルガンは低弦楽器のあたり(写真の右奥)に配置されるが、

全体の音のバランスを考えた指揮者の指示により、

今回だけは特別に真ん中に移動した。

同じ動きをする低弦楽器のそばにいられると安心感があるが、

離れてしまうとこんなに怖いものか...。

オルガンと弦楽器とはそもそも異なる種類の音質なので、

タイミングがちょっとずれても、間違えてもものすごく目立つ。

弦楽器は「うわ〜ん」とゆっくり音が出るのに対して、

オルガンは鍵盤を押すとすぐに発音されるように出来ている。

いつも気をつけていないと、フライング気味に先に出てしまうので、

指揮者だけでなくチェロの首席奏者も同時に見ながら、

耳も澄ましてド集中。

猫のように、耳の角度が自在に変えられると便利なんだけど。

鍛えてみてもだめかな。

 

ポジティフオルガンの前面。

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ふたを開けて上から撮った図。

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 木のパイプと金属でできたものが並ぶ。

入り切らない長いパイプは、

こんな風に曲げられて収まっている。

音色や高さが変わらないのが不思議。

 











鍵盤の下に並ぶ何本もの細い棒のようなものは、

「トラッカー」と呼ばれる鍵盤とパイプを結ぶもの。

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 鍵盤を押すとこの「トラッカー」を通じてパイプの下にある弁が開けられる。

すると風箱にためられた空気がパイプに通って音が出るという、ごくごく単純な仕組み。

楽器がどんなに大きくなっても、同じシステムで作られる。





 

オルガンはこんな風に車に積まれて、東京からやってきた。

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リハーサルの合間は、暖かい日差しがさんさんと降り注ぐロビーで

くつろぎお弁当タイム。

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お弁当にはやっぱり穂坂のお母さんの梅干しにかぎる。

今日は小梅をちょこんとね。

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つづく


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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。

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