オルガンのこと: 2010年3月アーカイブ


IMG_0272.JPG.jpeg2月26日(金)、今にも雨が降り出しそうなあいにくのお天気のなか
いよいよランチタイムコンサート50回記念が始まる。



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今回はいらして
くださった方に、
お寺の儀式を
体験していただこうと
コンサートの始まりは
正オルガニスト、
伊藤先生の
奏楽のなかでの
献灯・献花から。









お坊さんたちは、忙しく進行やお客様の対応に駆け回っているので、
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献灯は
副オルガニストの
山本久美子さんと
わたしが担当することに。
生まれて初めての
経験。
顔がこわばってます。












歩き方にも決まりがあって「左・右・左・揃える」を音楽に合わせて
ゆっくり繰り返します。
担当のお坊さん、石川さんに教わった「左(さ)・右(う)・左(さ)・ちょん」
「左(さ)・右(う)・左(さ)・ちょん」を
小声でぶつぶつ繰り返しながら歩く。



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ようやく仏さまの
前にお供え。
ほっ。














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続いて献花。
















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さすが、職員の方は
慣れてます!
















プログラムのトップバッターは山本久美子さんと、
トランペット奏者、西島裕子さん。
節目のコンサートを華やかに彩る、
祝祭的なマルティーニのトッカータから、テレマンの英雄的音楽へ。
本堂は一気にお祝いの雰囲気に包まれます。
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西島さんは
楽器の説明も
してくださった。
















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仏教讃歌
「しんらんさま」では、
オルガンと
離れて前から演奏。
後ろから
聞こえて来る
柔らかく
丸いオルガンの
音に包まれながら
浪々と歌う
トランペット。








続いて伊藤繁先生が再び登場して皆様にごあいさつ。
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初代オルガニストで、お父様の伊藤完夫さんのオルガン曲、
「四弘誓願による変奏曲」
石川さんは、この曲がとても心に響いたと
終演後におっしゃっていた。
その後この写真を撮って下さった福井さんのお気に入り、
バッハのトッカータとフーガニ短調を演奏。
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今回3人の
アシスタントを
引き受けてくれた、
心強い助っ人、
オルガニストの
野田美香さん。












わたしは大好きなスペインの作曲家、アラウホの
自由で躍動感溢れる、夏の太陽を思わせるティエントから。
なんか魚みたいな顔で弾いてるな...
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いよいよここで委嘱新作作曲家、近藤岳さんの登場です。
この写真は本堂の天井にある、
さまざまな彫刻についてお話しされているところ。
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仏さまに作品をお供え。
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このあとお2人は焼香台へと移動。
ここで使われたお香が「沈香」というとても上品な香り。
新作の美しい音とともに、
良い香りで本堂を満たそうというちょっとした演出。
「沈香」は1月の会議のときにみんなで、いろいろ試して決めたもの。
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香りがふんわり漂ってきた頃、
いよいよ「薄紅の刻(うすくれないのとき)」初演が始まる。
静まり返った堂内に
まずは近藤さん自ら探し求めて入手してくれた、
フィンガーシンバルというトルコなどで使われている打楽器が
澄んだ音色で鳴る。
この楽器を扱うお店には、数種類の高さの音色のものが並んでいて、
この曲にあう音程のものを選んできてくれたという徹底ぶり。
曲の音作りも、前日の夜遅くまで一緒に、あれこれ試して考えてくれた。
彼の音楽にかけるエネルギーや情熱は、ほんとうに頭が下がる。


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不思議な空間に
包まれながら、
笙のような
響きから
オルガンの音が
始まる。
緊張しながらも
どこか心の中は
しずかにしずかに
広がっていく。










曲は、お寺のオルガンの美しく柔らかく響くパイプを
数種類だけ選んで書かれてある。
永遠なもの、恒久的にずっとここにあるものと
繊細ではかなげなものが絶えず共存しているイメージ。
私たちよりずっと上の高いところで音がひらひらと舞う。
途中、ぱっと一筋の光が差し込んだり、
地上におりてきたりしながら最後には上の方に静かに立ち上っていく。
一貫して仏教讃歌「きよけきひかり」のメロディーの最初の音形が
ちりばめられている。

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演奏が終わり、
緊張が解けてホッと
した瞬間。





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最後は出演者全員で
ご挨拶。















今回、私たちが日々大事に弾いているオルガンのために、
曲を書いていただき、その初演という
得難い経験をさせていただいた。
私たちにとって大きな財産になった「薄紅の刻」を、
自分のものとして本当にこころから満たされた気持ちで
演奏できるようになるには
まだまだ時間がかかりそうだ。
これからもことあるごとに、大切に弾いていきたい。


奇しくも真央ちゃんとキムヨナ対決の時間と完全にバッティングして
日本の半数近くの人がテレビを見ていたお昼時にも関わらず、
延べ800人ものお客様がいらして下さった。
アンケートにはたくさんの嬉しい励ましの声をいただいた。
今回特別に3つ折りでつくったプログラムには
50回すべての出演者の方のお名前を載せさせていただいたが、
これまで演奏して下さった皆様、またいらしてくだったみなさま、
ランチタイムコンサートを影で支えて下さっているみなさま、
これまでお力をかしてくださったすべての方々に
この場をお借りしてお礼を申し上げます。

今後ともランチタイムコンサートをよろしくお願いします!


さて次回第51回目のランチタイムコンサートは、
クラシックからジャズ、ポピュラー音楽まで、ジャンルの垣根を越えた
幅広い活動をされ、パイプオルガンのみならずハモンドオルガンまでも
自由に弾きこなしてしまう、才能豊かな山口綾規さんの登場です。
わたしも1曲だけ連弾でご一緒します。
明日3月26日(金)12:20から お待ちしています!


【プログラム】
J. P. スウェーリンク(1562-1621):大公の舞踏会
J. S. バッハ(1685-1750):小フーガ ト短調
池辺晋一郎(1943-):リチェルカータ
A. ヴィヴァルディ(1678-1741):『四季』より 春
 ※連弾/小島弥寧子
佛教讃歌より 花祭りの歌

山口綾規さんよりひとこと
桜の咲くころとほぼ同じタイミングのコンサートになりそうです。
街中いや国中が桜色に染まる、素敵な季節に、
しかもお寺で演奏する機会をいただけるとは、
日本人としてこの上ない幸せです。
しみじみ、心躍る、軽やか...
春を彩る形容詞にふさわしいプログラムをどうぞお楽しみください。



先日のランチタイムコンサート50回記念には、たくさんの方が
いらしてくださいました。
本当にありがとうございました!

大きなコンサートがあったすぐ後には、
なんだかどうしても文章が客観的に書けない心境なので、
その模様はもう少しして落ち着いた頃に、じっくりレポートさせていただきます。


...というわけで、
今日は昨年末からの演奏会レポートを。
もう春になるというのに、タイムラグがどんどん大きくなるこのブログですが、
どうか、のんびりおつきあいくださいませ。


まずは12月に行われた所沢文化センターミューズ、
お昼どきパイプオルガンコンサートの模様。

国内最大級の規模、
オーストリア・リーガー社1993年製作のこのオルガンは、
4段鍵盤、75ストップ、パイプは5563本も。
築地のオルガンが2台以上分の数。
さすが!シンフォニックな響きのオルガン。
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オルガンの両脇には、ホールの名の通り音楽の女神が。
それにしてもでかっ。
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足下には、カメラが設置されています。
嫌な予感が...
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舞台さんがオルガンの椅子にのぼって、なにか取り付けています。
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頭上にカメラが...
この他に3階バルコニーからもう1台、計3台のカメラが
こちらを狙っています。
演奏中の手や足や顔がこのページの一番上の写真の、
ステージ上にある大きなスクリーンに映し出されるというシステム。
おそろしや、おそろしや...
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「祈りのクリスマス」と題したコンサートは
トランペット奏者の佐藤友紀さんと初共演。
若くして、東京交響楽団の首席をつとめる佐藤さんが奏でるのは
どこまでも澄み切った伸びやかな音。

プログラムは
マルチェッロのオーボエソナタ、ダマーズの3つの無言の祈りなど。

最後のホヴァネスの「聖グレゴリウスの祈り」では
ステージ上の映像を切って、
静かに音に耳を傾けていただく時間にした。


曲が静かに終わりかける頃、会場内を暗くしてはらはらと雪を散らせることに。
そうです、このホールにはミラーボールがあったので、
舞台さんや照明さんが協力してくださって、
雪が降り出す瞬間、止む瞬間が絶妙なタイミングになるように
入念なチェックを何度も行った。
静かに静かに曲が終わると、雪がやんで会場内は真っ暗に。
この日はあいにく、外は冬の大嵐だったが、ホール内は別世界。
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続いては、
非常勤講師としてつとめている武蔵野大学で
年に1回行われるオルガン・コンサートに出演させていただいたときの模様。

12月初旬の学内。
この季節、授業を終えて帰り道、
午後の光を浴びながらここを歩くのが
気持ちのよい、大好きな時間。

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雪頂講堂の正面には天女が舞っています。
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このふすまを開けると、中はこんな風。
ふすまの上にはオルガンのパイプが並んでいる。
弾きにきて下さるたいていの演奏者は、まずこれにびっくり!
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もともとあった講堂に、後からオルガンが寄贈されたので、
オルガンの設置場所に非常に苦労したそうだ。
その結果、演奏台は移動式になっている。

台の下には車輪がついていて、ひとりで楽に動かせるはずなんですが。
オルガンシューズをはいていると、つるつるすべるので
つい靴を脱いで本気モードに突入。
ぜーぜー。
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こんなふうに演奏台は舞台の中央に配置される。
(この写真は以前イタリアの愛ちゃんが弾いてくれた時のもの)
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この日は1時間半のプログラム。
前半はオルガンソロ、
後半は尺八の加藤秀和さんとの
アンサンブルで。
フレスコバルディや、バッハのコラールを
尺八が浪々とうたう様は圧巻だった。
コンサートの終わりには、
わたしがオルガンを初めて間もない頃に
お世話になった、酒井多賀志先生が作曲された
「オルガンと尺八の対話」という
大曲にチャレンジ。
加藤さんの尺八と演奏すると、
自然に背筋がすっと伸びて、
下腹にぐっと力が入る感じ。
こういうのを「気合い」というのだろうか。
洋の東西を問わず、楽器を演奏するのに
とても大事なことだ。







ようやく年が明けて、1月最初のコンサートは、
神奈川フィルハーモニーの定期演奏会で、
横浜みなとみらいホールのルーシーと一緒に。
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神奈川フィルハーモニーと神奈川フィル合唱団のみなさんのリハーサル風景。
昨年から常任指揮者に就任された金聖響氏の指揮で、
ベートーヴェンの大作、ミサソレムニス(戴冠ミサ)を演奏。
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演奏時間1時間半近くの曲中、
オルガンが鳴っている時間は
かなり長い。














オーケストラと
ずれると怖いので、
今回はステージ上の音を
マイクで拾ってもらって、
こんなモニタースピーカーで
聞きながら演奏した。












ステージ上のオーケストラの皆さんとは、遠く離れてひとりぼっち。
音がずれたりする怖さもあって
これまでどこか孤独を感じながら演奏することが多かったが、
今回は金氏の熱い練習の成果か、
もちろんこのモニターや、なによりもルーシーが
助けてくれたことも大きかったが、
オーケストラや合唱から作り出される音楽との一体感を
感じることが出来たのはとても幸せな体験だった。
ひとつおおきな階段を上った気分。


ところで、ルーシーのストップのなかに、
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どこかで見た名前が。
これはルーシーのパパ、フィスク社のスティーブが
特別に、わたしをイメージした音色のパイプを作ってくれたのだ。
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というのは大ウソです。
このホールの歴代インターンが修了した時のご褒美に、
ルーシーのストップにそれぞれの名前を入れて作ってもらえる
キーホルダーでした。
いまでも大事な宝物。
母親が「アタシも欲しい〜。」と甘えるので
「インターンに応募したら?」と言っておいた。
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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。

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