日々のこと: 2008年6月アーカイブ

マルチェーナに来たら是非とも会いたい人がいた。
そこで、ミサの始まる少し前の夜7時頃にサン・セバスチャン教会へ向かった。
サンセバスチャン.jpg
マルチェーナに滞在するのは、今回が2回目になる。
2年前の夏、アンダルシアオルガンアカデミーに参加したのが最初。
アンダルシアオルガンアカデミー

その時のオルガンの練習場所が、サン・ホアン教会とここサン・セバスチャン教会だった。
サン・セバスチャン教会の神父さまがアントニオ。

私の最初のオルガンの先生、富永先生に似ているので、
心の中で「富永先生」と呼んで、最初から他人のような気がしなか
った。

アントニオとはすぐに仲良くなった。
といっても彼はスペイン語しか話さず、わたしは英語と身振り手振
りだけ、全く会話が通じないはずなのに。

このときのアカデミーは、コレア・デ・アラウホというセヴィーリャで活躍した1500年代の作曲家の作品をテーマに扱
っていた。
東洋の端っこ日本の小娘(←かれにはそう見えるらしい)が、どうやってコレアを知ったんだ?とか、なんでコレアを演奏するの
か?
楽譜はどこで手に入れたんだ?とアントニオの質問は尽きない。
いったい日本をどんな国だと思っているのかしら?

彼は私の顔を見るたび「セニョリータトランペッタ
(トランペット娘)」と呼ぶ。
だれにでも私を「教会に着くなり、2時間も水平トランペット管を
ひきつづけたんだよ、この子は」と紹介した。
初めてスペインに来て、初めて弾いた水平トランペット管がここの
楽器だったので、嬉しくてついね。
きっとうるさかっただろうなぁ...

彼とは謎のコミニュケーション方法であれこれ話しながら、練習の合間にご飯を食べ、バルでビールやカフェ・コン・レチェを飲んだ。

アントニオは2年前と変わらず、教会にいましたよ。
アントニオ_0825.jpg
「アントニオ!覚えてる?みねこだよ?」
と劇的な再会を期待して駆け寄ったら、ちっとも驚いてくれない。
あれ、忘れたの?と思ったらおいでおいでといって、
オルガンの演奏台の所へ連れて行かれた。

Antonio Pilat 1835年制作
サン・セバスチャンオルガン_0810.jpg
「トッカーレオルガノ!(さあ、弾け!)トランペッタ
!トランペッタ!」と言う。
懐かしのマイ・ファースト・トランペット管を使って弾いた。

アントニオはにこにこ顔。
私もにこにこ。

マルチェーナ、サン・ホアン教会のホアン・ド・ラモン神父さま。
ホ�.jpg
教会はミサのある時間以外施錠されているので、
練習を始める前と終わった後は、ラモン神父のお家を訪ねて
この大きな鍵でドアを開け閉めしてもらいます。

左がラモンのお姉さん。
日本からのおみやげにと柿の種を持って行ったら、とても気に入っ
てくれました。
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教会に見学の人が訪れると、神父自ら説明します。
この日はかわいらしい子供達。
途中で教会中を走り回って怒られてましたが。
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サン・ホアン教会には2台の歴史的なオルガンがあります。
サンホ!.jpg
水平トランペット管が向かい合わせに突き出た光景を最初に見た時には、
ものすごい衝撃を受けました。
でもスペインの教会ではわりと良くある光景。
そういえば「2台のオルガンの為の」なんていう曲も、
この国ではたくさん出版されているのですから。

左側の楽器はFrancisco Rodríguez 1802年制作
Gerhard Grenzing社が2002年-2004年に修復

これは楽器を後ろから撮ったもの。
背中にも水平トランペット管をしょっています。
なんだか今にも飛んでいきそうでしょ。
サンホ�.jpg
右側はJuan de Chavarría Murugarren 1765年制作
Gerhard Grenzing社が1997年に修復。
私がこれまでに出会った中で、一番好きな楽器かも知れません。
数日間独り占めして朝から晩まで弾けたことは、
本当にしみじみと幸せでした。

この時代のスペインの楽器は、ペダルがあまり発達していません。
こんなかわいらしいものがついています。
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せまぁい階段を上がって演奏台へ。
サンホ?.jpg
2台のオルガンの間の空間は、聖歌隊の席になっています。
イスの上には木彫りでひとりひとり違う顔のおじさんがたくさん。
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オルガンのために寄付をしたひとの顔か、
それとも偉い聖人の顔といったところかな?
夜はちょっと怖いので、出来るだけ目を合わせないように。

ある晴れた休日、本願寺で結婚式の奏楽をした後に
、ぶらぶらと歩いて銀座まで出た。
シネスイッチでやっている「譜めくりの女」を見ようと思いついて

譜めくりの女、あらすじはこんなふう。
「過去に物静かな少女メラニーの夢は、ピアニストになること。
しかし、コンセルヴァトワールの実技試験で、審査員である人気ピ
アニスト、アリアーヌが取った無神経な態度に翻弄され、ピアニストへの夢を捨てる。
やがて妖しいまでに美しく成長したメラニーは、アリアーヌとの再
会を果たす。
そうとは知らないアリアーヌは、メラニーに演奏会の成功の鍵を握
る"譜めくり"を依頼し、やがて絶大な信頼を寄せていくのだが...

ここから延々と復讐が始まるらしい。

怖い、恐すぎる...

せっかく気分も晴れやかな休日だし、今日はやめとくか。

というわけで、「さよなら。いつかわかること」を見ることに。
Image1811.jpg
陸軍軍曹としてイラクに単身赴任中のお母さんの訃報が届くところ
から、物語は始まる。
残された12歳と8歳の娘たちに母の死を伝えることができない主
人公の父親は、衝動的に彼女たちを連れて旅に出る。

8歳の娘がお父さんにまとわりついて、
「ねえ、猿飼ってもいい?」「ポニーは?」「じゃあiPod買っ
て?」「ピアスあけていい?」

こどもってこういう脈絡のない質問するところが、たまらなくかわ
いいよなぁ。

ちょっと情けない感じの父親が、娘たちに悲しみを悟られないよう
にはしゃぎながら旅を続けるのがなんとも切なくて泣けた。

帰りに銀座の鳩居堂に行ってみた。
「昔はお月謝を入れる袋といえば、鳩居堂の封筒だったのよ
」とかつてピアノの先生に聞いたのを思いだして。
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中はかなりの混雑。
女子の心をくすぐる、美しい便箋や封筒が並んでいた。

文房具好きな血が、ざわざわと騒ぎ出す。

選びに選んで買ったのは、シンプルだけど味があるこれ。
万年筆で手紙でもしたためたくなるなあ。
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またお店の袋がいいのですよ。

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築地本願寺で副オルガニストをしています。それからあちこちでオルガンを弾いてい ます。 どういうわけかお寺でオルガンを弾くことになって、こうしてblogを書くことにもなっ て、そのことに自分でもびっくり。その日々の小さいびっくりを拾い集めて書いてい けたらいいな、と思っています。 これまで文章を書いたことも、写真を撮ったこともありませんが、習うより慣れろ、 ということで少しずつ。 たかがblogといえど、書いた文章は読めば読むほど何度でも直したくなります。 毎回なかなか送信ボタンが押せない、自分のもとから手放せないで苦しみます。 ある演奏家が『話したり書いたりすることも表現活動の一環』と話すのを聞いて、な るほど、と思うこのごろです。 好きなこと、もの:無類の猫好きです。ホットヨガ。最近ではホットフラも始めました。 気持ちがいいです。旅。散歩。車の運転も好き。文房具やさん。商店街。海外のスー パーマーケット。長風呂。家のベランダ。先日ダーツデビューをしてかなりおもしろ かったので、またやりたいなぁと。おいしいものを好きな人達と楽しくわいわい食べ ること。時々作ること。

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