さて、この薪に関して、たまたま二つの
有名なエピソードがあることに気がつきま
した。
その一つが「臥薪嘗胆」です。
それは、中国の古典に出てくる数多くの
トピックの一つです。
中国に未だ統一国家の出現を見ず、各地
に群雄が割拠して攻防をくり返していた春秋
時代(紀元前5~7世紀、孔子の著『春秋』に
取り扱われている時代なのでこの名がある)、
今の長江の流域にあった呉の国王・闔廬(こうろ)
の子・夫差(ふさ)が、父の仇・越王勾践に
対する仇討ちの志を忘れないために、薪を
並べてその上に寝て身を苦しめ、ついに会稽
での戦いに勾践を破って父の仇を報いたという
のが「臥薪」です。
後半の「嘗胆」は、この夫差に敗れた勾践が、
会稽で捕虜になった恥辱を忘れないために、
動物の苦い胆を嘗めて報復を誓い、やがて
名臣・范蠡の力を得て、ついに夫差を破ったと
いうお話です。
なお、両方とも越王勾践のことだとの説もあり、
よく御存知の方も多いと思います。
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