さて、『十住毘婆沙論』ですが、それは私
たちの浄土真宗にとって極めて大切なお聖教の
一つなのです。
もとは『華厳経』という数十巻の大きなお経
の一部、菩薩の階梯を説く部分・十地品の注釈
書で、七高僧の第一、龍樹菩薩がお書きになり、
『阿弥陀経』と同じく、大翻訳家鳩摩羅什が
漢訳した15巻35品(章)の書物なのです。
そしてその第九・易行品で、菩薩が不退転
の位に入るために、努力精進する難行道、
つまり聖道門自力の教えと、み仏の願力を信じ、
お念仏を称える易行道、つまり他力浄土門と
の二門があることが、初めて説かれたのです。
この難行道・易行道の教えは、以降、曇鸞
大師、道綽禅師、源信和尚、法然上人と相い
継がれ、親鸞聖人も、御主著『教行信証』の
中で、この御文を引用し、私たちにお伝え
くださっているのです。その間、今に至るまで、
龍樹菩薩からだけでも1800年もの歳月が経過
しています。
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