なお、円仁が彼の地で学び、我が国に伝えた
法照禅師(770年頃。後善導=善導大師の
生まれかわりと言われる)作の『浄土五会念仏
略法事儀讃』は比叡山の念仏修行を起し、
親鸞聖人(1173~1262)もこの書を『教行信証』
に引用され、本願寺派で今も依用されている
声明「五会念仏作法」のもとになっています。
ところが問題は、この『巡礼行記』が本格的に
注目され始めたのは、やっと明治末期であった
ことです。日本文化のこの貴重な宝物の存在は
千年以上もの間、1~2の例外を除いては、ほと
んど気づかれなかったのです。
しかし、さらに問題なのは、近ごろの日本人たち
が世界に誇るべき、日本のすぐれた宗教や
文化についての知識や関心をどんどん失いつつ
あることです。この悲しむべき傾向に歯止めを
かけ元にもどすには、一体どうすればよいので
しょうか。
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