ただし昔は、幼いときから多かれ少なかれ苦しみを
辛抱するのがあたり前でした。草木や動物も、風雨や
寒暑や飢餓に耐えたもののみが生き残ります。"忍耐"
こそが生存に不可欠の要件なのです。"切れる"のは、
幼いころからの"忍耐"の訓練の欠如によるものといえる
でしょう。
さて仏教は、六波羅蜜(多)の一つに、この"忍"を
掲げていますが、"忍"はじつは狭い意味での仏道の
ためだけの項目ではなく、生きるための教え、生活の
智慧でもあるのです。
いや、"忍"だけではなく、布施も持戒も精進も、みな
ある意味での生活の知恵であります。"生活の知恵"と
しての仏教がもっともっと広まることこそが、混迷からの
脱出に何よりも必要なことなのであります。
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