理髪店にて(1)

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 先日、三週間ぶりに散髪に行って、ちょうど
頭の側面に鋏を入れてもらっている時、他に客
も無かったので尋ねてみました。

 「僕は右三、左七ぐらいに分けているが、
  どうも右の側面の方が、正面から見ると、
  何時も左側より、少し長いように思うん
  だけど・・・」

床屋さんが答えました。

 「お客さんの頭は、右側の耳の辺りの髪が
  前向きに生えているんです。それに、お客
  さんの頭は、右耳の上のところが左側より
  張っている。だから、前から見て左右同じ
  ように刈ると、横から見た場合、右側の方
  が淡くなってしまうんです。横から
  の見かけの方が大事ですから・・・・」

 「成るほど、僕の頭は変なんだなぁ、頭髪の
  生え方や格好が、左右ちがうんだね」

 「いやお客さんのは、まだましな方ですよ。
  頭の形も、左右同じ方は、ほとんど居られ
  ませんよ。耳の高さだって可成り違う人が
  居る。耳にあわせると、片方をもっと刈り
  上げろなんて言われることがあるんです」

 そう言えば、人の顔でも、左右真対象の人は
先ず居ない。いや、そもそも身体だって、心臓は左側に寄っている・・・・。
 一体、心臓は何時ごろから左に寄ったんだろ
う。その方が良いと、誰が考えたのだろう・・・・。

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