理髪店にて(2)

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それはそれとして、人間の身体は何とうまく
できていることでしょう。いや、身体だけでは
ない。頭脳その他、あらゆる機能が、こんなに
うまく出来ている生物は、他に居ない。だから
"造化の不思議"という言葉も、正に人間の
ために人間が造ったのですし、"神は自分に
似せて人間を造った"という宗教もあるよう
です。そして、だからこそ、人間は他の生物に
対して何をしてもよいのだという思い上がった
考え方も生まれてくるのでしょう。

 しかし仏教では、一応「六道(下から地獄、
餓鬼、畜生、修羅=争いの絶えない世界、人間、
天=神々」といって、畜生(動物、魚、鳥など)
と人間を区別しますが、他方、「一切衆生」と
いう考え方があり、ここでは人間も動物も、
本質的には区別しません。

 否、人間も輪廻転生に於ける一つの道程であ
り、畜生も道程の一つだとも考えているのです。
いや、地獄も餓鬼も、実は人間世界の或る部分
の反映だと言えるのではないでしょうか。悲しい
ことです。

 だから私たちは、自分たちが他(の動物)と
比べて知力や能力の点で優れているからといって、
決して劣ったものを軽んじたり、無視したり、
迫害してはいけないのです。出来るだけ尊重し、
可愛がってやりましょう。

 劣っていることが、どんなに辛いことか、
ここ一ヵ月余り腰痛を患っている私など、極端に
言えば、さっさと歩いたり走ったりしている犬
や猫さえ、羨ましいほどです。

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