ちょっと小腰を

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 電車などのシートに坐っていて、たまたま空いている隣の席に、ちょっと小腰をかがめてから坐る人がいると、気持が好いものですが、そんな人は非常に少なくなりました。
 たまにあるとしたら、それは中年以上の女性です。勿論、品も良く、優しそうな。
 男性でも、ちょっと片手を挙げてから坐る人がいますが、その数は、小腰を屈める女性よりも一層少ない。

 空いているシートに坐るのは当然の権利であっても、それまでゆったりと坐っていた先客は、後客のために、多少は窮屈な思いをすることだってあるかも知れません。そんな先客に対して、これは「ご免ね」という、あるいは隣人としての挨拶なのです。また実際、いかつい肩や大きなお尻は割りこんて来ない方が、少くとも気分が楽ですからね。

 何かにつけて、車輌やエレベーターなどの乗降にしても、After you(貴方の後から=どうぞお先に)とういうような、かつての日本の社会にあった、そして今も文明社会のいわば常識、礼儀、他に配慮する優しい、美しい心の復活を願はずには居れません。

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