K君のお寺の法要で

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春の1日、K君のお寺の親鸞聖人750回大遠忌法要ならびにK君の住職継職奉告法要に出勤しました。
 このあたり、近年まで「郡」だった播州平野の一角です。前日来の雨が心配されましたが、お天気は何とか保ち、前夜宿泊した駅前のホテルまで迎えに来てくれた乗用車の中から、途中、西方の山から山に入る大きな虹の美しさに、しばし見とれていました。こんなに完全な虹を見たのは初めてだったのです。

 周囲の御門徒の家々も広びろと、ゆったりした建て方ですが、お寺も敷地が5~600坪、7間4面の本堂で境内地もゆったり、隣楼の客殿と共に、どうやら 近年の御修復のようです。内陣の佛前の大卓にかけられた緋色地の錦織の打敷も真新しく、文様もなかなか斬新です。この度の御法要のために新調されたので しょう。

 私ども出勤僧侶は30数ヶ寺。集会所となっている公民館(?)に一たん入って装束(色衣、七條袈裟、切袴着用の礼装)を着用し、そこからお寺に赴いて法要です。
  午前中は大遠忌法要で、K君の父君、まだ70歳台のなかばですが、前住職が導師で、「正信念仏偈作法」のおつとめ。集会所で昼食の後、午後はまず、 5~600メートル離れた御門徒のお宅に集合して、お仏壇に向かって勤行の後、庭儀。可愛いお稚児さんが50人ほど、勿論、親御さんの付き添いで、法中の 行列の間に入ります。途中、2軒のお宅にも立ち寄って勤行。当主の挨拶、記念写真撮影。そしてお寺に参進し、祝辞、祝電披露などの後、K君の導師による住 職継職奉告法要が勤修されました。
 本堂外陣には、何れも70歳前後と思われる6~7名の門徒総代のほかに、地域(旧村落)や各種団体の役職者、婦人会の代表などをはじめ、参詣者で満堂。『阿弥陀経』読誦の間に法中(全僧侶)は本堂の外縁を1周する大行道を行いました。
 幸いに雨にもあわず、のどかな農村一村挙げての、すがすがしい大法要で、集会所では20人前後、4~50歳台かと思われる婦人会の方がたが一生懸命サービスして下さるなど、念仏者のほのぼのとしたものを一杯感じる1日でした。
 それにしてもK君ですが、学校を出て間もなく、僧侶としての実務勉強のため、縁あって私の寺に数年、勤務していました。
 退職後、暫くして結婚、今や頭髪は半白の堂々たる中年。大学2年生という、立派な体格の、しかし生い生いしい後住さん(住職後継者)までいるのです。前、現、後と3代の住職が揃うのは、長寿社会になった今日でも、珍らしい、本当に目出度いことです。
 しかし私の瞼の底には、20数年前のK君の面影が焼きついています。そして、あらためて年月の経つ速さを思いました。
 さて、今後ですが、これから何十年かのK君の住職としての一代が始まります。
 何百年の伝統のある寺院でも、その間の住職一代一代で、その寺の色合いが、少しづつ異なるものです。
  同じことは一般の家庭でも言えることでしょうが、どうか彼の一代、御門徒の皆さんと力を合わせて、彼らしい、素晴らしい色合いを発揮する寺院を造り上げて ほしいし、造り上げてくれるだろうと思います。そしてそれをしっかり、次の代にバトンタッチしてくれることを念願しています。

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