道端で

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 東京の「お盆」の一夕、築地本願寺の東北隅、古代インド式の玉垣の角を曲った道端に、50歳前後か、男が一人、空き缶を膝の前において坐っていました。近頃、こんな姿を見かけることは、ついぞなかったのですが、頭髪も可成り薄く、陽焼けなのか、もしかしたら他国籍者かもしれないと思って、よく見ると、手首に数珠らしいものを巻きつけています。
 とっさに、ポケットに手を入れて、小銭入れを探ったのですが、丁度目の前の信号が青になったので、そのまま大通を横断してしまいました。
 近くのコンビニで、当分の間の保存食や台所用品などを買ったのですが、その間じゅう、先刻の男のことが気になって仕方が無い。とうとう帰路、ほんの少しですが、廻り道をし、彼の前に立ち寄って、私が使った何十分の一かに当る百円玉一つを缶の中に落したら、思いのほか大きな音がしたので、ビックリしました。缶の中には、百円玉、十円玉、一円玉?が、それぞれ1~2枚づつ入っていたように思います。
 なお、翌日、別件で、ほぼ同時刻に同じ場所を通ったら、彼の姿は見当たりませんでした。
 ここは所得が少ないとでも思ったのでしょうか。

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