朝夕大分涼しくなって参りましたが、お元気ですか。私の方、相変らず多忙。昨16日も来客が3組、午前中に続きました。そして、一昨日上京したばかりなのに今日も午後から関西へ。面会の最初は音楽関係(女性の作曲家)、次はプロの劇団。輪番は僧侶や門徒の方がた以外にも様ざまな方にお目にかかります。
さて三番目ですが、年齢は40才台かなあ。マスコミ(民放)関係の仕事が御縁で、特に近年、浄土真宗の僧侶と知り合い、仏教の話を聞く機会が多くなった。そして自分も何か、心を病んでいる人びとのお役に立ちたいと思い、一念発起してカウンセラーの資格をとった。今回はその仕事で近くまで来たついでに立寄ったとのことでした。
ところで彼女、勿論美人ですが、身長169センチだそうです。その大柄な彼女、赤に近いピンク色のバラの花模様のワンピースを着てきたのです。近頃、赤は勿論、黄色などの明るい色の洋服も見かけることが稀なので、彼女が入ってきた時は一瞬びっくりしました。秘書室の制服姿の若い女子職員も驚いたのではないか。
それは兎も角、彼女は久しぶりだし、丁度お昼前だったので一緒に食事。その間に話題が服装にも及びました。
それにしても近頃の御婦人、特に若い女性たちの服装。形は様ざまですが、一様にその色合いの地味なこと、暗いこと。何故なのでしょう。
昔、景気が服装に反映するとの説を聞いたことがありますが、悪い景気、暗い世相を吹き飛ばすために、まず御婦人方に明るい色調の服装をお願いしたいものです。彼女もその心算で赤い服を着てきたそうです。
尤も明るいよりも黒っぽい服装の方が少しでもスリムに見えるという事はあるかも知れません。だから体形の自信の有無によって、どうぞ御随意に......。
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色調といえば、男性のサラリーマンも、きまったように黒や濃紺のスーツ。まるで街中が会葬者かその筋の人たちの行列といった異様な感じのする時があります。
勿論、ダークスーツは、砕けていないという点で、勤め人にとっては一番無難でしょう。しかし、昔むかし、"昼間から ダークスーツの 無粋者"とか言う川柳を見たことがあります。紺や黒は夜会用だというのです。尤も街中が茶やグレーでも、締りが無くて困るかも知れませんが、「社会を明るくする運動」の一環として、会社や役所でも組織的に考えていただけるといいのになと思ったりしています。
しかしダークスーツ・オンパレード以上に困るのは、若い男性(まともな職に就いていないのかも知れませんが)に多い、あの、汚い、ボロボロの服装です。無精髭、バサバサの頭髪、ズボンなんかでも、わざとなのでしょうが穴があいていたり、裾にボロが下っていたり。電車の中などで横に来られたら、不潔で、蚤など移されそうだから、私は離れた所へ移動することにしています。
それともう一つ、男性の室内着帽です。やや話はずれますが、エレベーター内で見知らぬ女性と二人きりになったとき、男性は、①まずポケットに手をつっこまない。②帽子を脱ぐ。③洋服のボタンをきちんととめる。④ドアーの前に面して立つ(女性の方を見ない)。そして、エレベーターが止ったら、レディーファーストを実行するのです。これが基本的なエチケット。男性の帽子は宝冠ではありません。
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そもそも服装は二つの方向性を持っている筈です。その一つは自分自身を寒暑などから保護し、更には自分の地位や力の示威運動の一環として飾る。もう一つは、他の人に失礼にならぬようにする。一人で部屋に居る時は素裸でも構わないが、少なくとも他人に接する場合は、自分自身あまり見苦しい姿は失礼です。相手とのバランスを考えましょう。これは夫婦や恋人同士の間でも必要な配慮でしょう。(私は亡妻と一緒に外出する時は、必ず事前に服装について打合せをしました。)
何年か前ですが、ある結婚式披露宴でのことです。花嫁の恩師だと紹介された男性が、ジーンズとトレシャツ姿で祝辞を述べた。一体、彼女、どの程度の学校を卒業したのかと、思い巡らせたことがあります。TPOを弁えない服装は、自分自身だけでなく、縁ある人の品性まで疑わせ、傷つけることになります。
それにしても数日前、「職活」(就職活動)をするために然るべき服装が無いとかいう人たちのことがTVで紹介されていましたが、社会に出るに当っては、他の事は二の次にしてでも、まず服装に気を配っておくべきでしょう。昔から「馬子にも衣装」などの諺もありますしね。
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ところで近頃の男性の服装で気になる点が幾つかあります。
その一は、いわゆるポケットチーフを用いている人が極めて少ないことです。
昔は背広の胸ポケットに万年筆などを挿している人が多かったが、これは野暮天などと言われ、今はほとんど無くなりました。
ところが万年筆が胸ポケットから消えて以後、平常の胸ポケットは空になったのです。 しかるに結婚式や葬儀となると、白いハンカチを挿している。胸ポケットはポケットチーフを挿すためのポケットなのですから、平常も挿したらよい筈です。
色は別に白に限ったことは無い。赤でも青でも、また無地でなく水玉その他の柄物でもいい。特にダークスーツのオンパレードの中で、ネクタイと共に、一人一人がポケットチーフで自分の個性を発揮できるなら、オフィスの雰囲気は、もっと変ったものになる。
みんなまるで、同じ鋳型から造られたロボットのような恰好で、思想で、携っている仕事には発展性はありません。但し、「目立たない」のが、サラリーマンの心得だというのなら、これはもう問題外でしょう。
それに、もし何かの席で、隣の女性が急にハンカチを必要とされたとき、もぞもぞとズボンのポケットから、それも多少汚れているかも知れないハンカチを差し出せるのか。さっと胸元の真新らしいチーフを差し出す用意があってもよい。私は未だそんな場面に出くわしたことはありませんが、一生に一度ぐらいはあるかも知れない。武士など、その一生に一度ある(抜かなければならない)かも知れない(無いに越したことの無い)大事に備えて、外出時には必ず重い大小二振を腰に挿していたのですから。
ポケットチーフは、もともとそのたった一度のための用意、つまり女性に対する男性としての配慮だった。それが我が身のアクセサリー、アクセントになっているとも考えられます。そして男性社会でお互いがネクタイや背広だけでなく、ポケットチーフの色も話題にするようになったら、オフィスはもっと明るくなるのではありませんか。
なお私自身のことで恐縮ですが、私は薄い絹のポケットチーフをいつも3枚入れています。たとえば白を芯にしてそれを青で包み、一番上は燕脂でくるみ、ポケットの縁から少しだけ見えるようにしておく。3枚あるとTPOで簡単に変えられる。また1枚だけだと薄いのでポケットの下にはまりこむことがありますが、3枚だと多少のボリュームも出来、はまりこまない。ちょっと何時も花を挿している様になりますね。
次にこれも好みの問題かも知れませんが、ここ1~2年、またペンシル・ストライプの背広が何十年ぶりかで復活していますね。ところが昔は、背広の柄とネクタイとカッターシャツの襟元とがシマシマ(縞々)にならないことが、まあ原則だと言われていました。例えば背広がストライプならネクタイは花柄か何か、カッターシャツは無地と、このように昔なら当然、誰もが知っていた、意識していた装いの原則が、曖昧になっていることが、今は多いですね。
その他、いわゆる"洋服"に関して些細な所かも知れませんが、基本的な約束事や留意点が忘れられたり無視されている場合が少なくない。これは渡来以後、既に百数十年経って、未だ日本人社会に"洋服"の文化が完全に消化されていないということではないでしょうか。
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しかし考えれば、その本来の意味や意義・目的を正確に深く見定めずに過していることが余りに多い。たとえば「佛教」という言葉は、それこそ何万遍も耳にしている。にもかかわらず、佛教とは何かを正確に話せる人は多くない。勉強している人は少ない。数珠(念珠)などについても同然です。
女性の服装から話は流れ流れて、ついにここまで来ました。今日は朝から真青な空に、秋の雲が美しく流れています。今日一日、いや、明日からも、どうぞお元気でお過ごし下さい。
明るい色の服
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