「法衣」シリーズ⑦ 白衣の修行者

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 なお修行者でも壊色(えじき)を用いない宗教もあります。
 お釈迦さまの頃、インドには、伝統的なバラモン教以外に、さまざまな宗教、哲学が起りました。その数はすこぶる多く外道は62種あったとも95種あったとも伝えられています。そしてその代表的な六派を六師外道と呼び習わしていますが、その六師の一つとして尼乾子(ニガンタ、ニルグランタ)という一派があり、教祖ヴァルダマーナをマハーヴィーラ(大勇者)あるいは勝者ジナ(迷盲に打ち勝った者)と崇めたことから、この外道を一般にジャイナ教と呼んでいます。
 ジャイナ教は極端に殺生をきらい、信者は虫などを殺す恐れのある農耕を避け、専ら商業にいそしみました。従って彼等は財力があり、ために、開祖以来ほぼ2500年、現在までジャイナ教は存続しています。但し信者数は全人口の1パーセント程度ではないでしょうか。
 さて、このジャイナ教ですが、殺生の他に"無所有"(物を持たぬこと)も強調されました。従って修行者は衣服も持たない。というわけで、当所は裸形の修行者の集団だったのです。前記のジナやその他の聖者の往古の大小のオールヌードの石彫立像も沢山残っています。中で一番有名なのはデカン高原の中央部、航空機をはじめ、インドの精密工業の中心地として名高いバンガロール市の西方約130キロ、シュラヴァナベルゴーラのヴィンドヤギリという、高さ150~160メートルの岩丘の頂上に立つ、身丈17.5メートル(一説には19メートル)の立像(10世紀)でしょう。
 ところが、紀元前300年ごろには白衣を着用する者たちがあらわれ、これが白衣派と呼ばれ、次第に在来の裸形派、すなわち空衣派と分裂したと伝えられます。つまり修行者でも壊色(えじき)ではなく、白衣着用者も居るということです。

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