世俗に思う: 2010年4月アーカイブ

函館旅行

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  3月13日(土)から14日(日)にかけて、函館に行ってまいりました。
 用件は、阿弥陀如来尊像のお迎えです。
 築地本願寺には本堂などを含む本館の他、その左右に第一、第二と二つの伝道会館があります。ともに昭和60年の竣工ですが、本館は、シルクロード・大谷探検隊で名高い大谷光瑞師(西本願寺第22代宗主)と東大の先生・伊東忠太工学博士の合作というべきもので、昭和6年起工、9年夏竣工。以来丁度4分の3世紀を閲(けみ)しています。従って一度、特に本堂内陣を中心に、大修復の必要がある。それを京都の御本山西本願寺で宗祖・親鸞聖人の750回大遠忌法要が勤まる年、平成23年度を中心に、18ヶ月間かけて行う。そしてその後、築地での大遠忌法要を勤修する。
 しかし、本堂大修復の間には、仮本堂が必要で、その仮本堂を第二伝道会館内のホール、蓮華殿に設置する。そこでの御本尊をお迎えに、本願寺函館別院をお訪ねしたのです。
  函館別院は、それ自体、なかなか立派な、全国で70ほどある西本願寺直属寺院の中でも屈指の規模をもっていますが、広汎な地域に在住する御門徒たちのために、かつて4つの出張所が設けられていました。
 ところが十数年前、一つを残してそれらが次々と閉鎖されました。バブルの崩壊に伴う(?)人口減少のためです。
 その閉鎖した出張所の一つに御安置してあった御本尊、その後、函館別院でお預りしており、それをこの度、お譲りいただいたのです。
 本堂での譲渡式の前に、雅楽を依用した厳かな御法要。その間に、余間(内陣の次の間)に安置されたその御本尊の前で焼香させていただいたのですが、驚きました。
 閉鎖された出張所の御本尊なのだから、京都や奈良の古寺の尊像などと同じように、御身体を覆う金箔なども剥落しているだろう、御台座も光背も、同様ではないかとの漠然とした想像は全く間違っていたことが判ったからです。
 御本体だけでなく、光背も台座も含めて、総高四尺一寸(124センチ)ほどが、まるでまっさらのように美しく輝いていたのです。
 譲渡式も終り、夕刻の懇親会の席上、そのことを話しましたところ、函館別院は、御本尊をお預りするに当って、綺麗に御修復申し上げたのだとのことでした。
 お預りしているのだから、古損したままでよい、というのでなはく、お預りしているのだからこそ損欠の無いようにしておきたいとの、函館別院の皆さんの篤い心に、私どもの心も熱くなりました。


 ところで、折角のチャンスだから函館湾の先端に聳える函館山や、有名な五稜郭を始め、美しい街の各所を見物したいと思いましたが、月曜日(15日)以後の日程が詰っていて断念、翌14日、羽田へのフライトが午後の便だったので、午前中、ほんの10分間かそこら、市街の東はずれの海鮮市場を見物し、足を延ばして東本願寺別院にお参りしました。
 それにしても、100メートル四方ほどの海鮮市場は、蟹、蟹、蟹、蟹。無論、紅鮭、帆立貝、いか、うに、その他、様々な魚介類も並んでいますが、内部も外側の通りに面した一帯でも、まず眼に飛びこんでくるのが毛蟹その他の蟹類です。呼込みの声も殆んど"蟹"。
 折からの急襲来の寒気のせいか、客足もまばらですし、一体、これだけの蟹を誰が食べるのかなと不思議でした。
 不思議といえば、東本願寺別院でもありました。
 一万坪はあるかと思われる広大な境域の奥正面は、名古屋地方では、その筋で知らぬ人の無い代々の名工、伊藤平左衛門(9代目)の設計により、明治44年から大正4年までかかって建立された、本堂としては日本最初の鉄筋建築(鐘楼、正門と共に国の重要文化財)とか。但し、ここも寒さのせいか、参詣の人影も無く、外陣周縁の扉も閉っています。
 寺務所の許可を得て、廊下づたいに外陣に入り、お参りさせていただきましたが、不思議だったのは、間口17間(33メートル。奥行も?)の大本堂の内陣と外陣を仕切る線の中央に柱が立っていたことです。そしてその奥の内陣の向って右寄りに本尊・阿弥陀如来を御安置する須弥壇、その左側には親鸞聖人像を安置する須弥壇と、内陣中央に両壇が並んでいる。
通常は内陣、外陣を仕切る線の中央には柱は無く、内陣の中央には阿弥陀如来(御本山御影堂の場合は親鸞聖人)の尊像のための須弥壇が安置されているのですが、両壇設置が先か、中央の柱が先なのか、失礼ながら、寺務所の若い女子職員は御存知無いだろうと考えて、お訊ねもしませんでした。お訊ねすれば、よかったのかな?
 それにしても、このような大建築を実現した信仰の力、御門徒の御熱意に対しては、あらためて敬意を表した次第です。
                   ○
 次に、往路もそうでしたが帰路の機内でも感じたこと、それは女子客室乗務員たちの精励です。
 何れも美人揃い。そして乗客一人一人に対して、にこやかにサービスする。
 一体、私たちは毎日、いろんな方々と接しながら暮しています。しかし、その接する相手は、ほぼ同じ顔見知りの人たちである場合が多い。
 家族、同僚、上司、先生、級友......。商売でも顧客はいわゆる「おなじみさん」が多い場合もあるでしょう。だから自然、相手との接し方も、ある程度わかっている。
 しかし、フライトの場合、「おなじみさん」は極めて稀ではないでしょうか。
 中には難しい客......も居るかも知れない。先に座席に着いて、あとから乗り込んで来る人たちの風体を見ていても、大男あり、小婦あり、老あり若あり、三つ揃を着ている人あり、ジャンパー姿あり、"世界は二人のために"と言わんばかりのカップルあり。それらの人に対して、機内持込みの手荷物の世話、おしぼり、飲み物、読み物、機内食その他、一々丁重に、にこやかにサービスする。相手は殆んど一見さんなのです。若い女性の身で、さぞ大変だろうなと思うと同時に、全国から京都の御本山に参拝される方々のための受付、案内係のこと、いや、彼等だけではない、全ての接客業は大変だ。いやいやどんな部署でも仕事でも、プロは大変だな、などと思っているうちに1時間20分、機は羽田に着きました。

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